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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「緊急事態宣言」が出されたなかで迎える73回目の憲法記念日。法に基づく「要請」を超え、国民の権利の制限をより強める「緊急事態条項」創設のための憲法改正を主張する声に対し、県内の多くの市民団体は「危機に乗じた改憲議論は許されない」と訴える。

 例年、3日の憲法記念日には県内各地で講演会など多くの集会が催されてきたが、今回はほとんどが中止という。

 そこで、県内の290の市民団体などが賛同し、1日付で公表されたのが「共同アピール」だ。9条改憲反対を活動の中心に、国政選挙で「市民と野党との共闘」を支えてきた信州市民アクション(約40団体で構成)がつなぎ役となり、9条の会や反原発、労組など各種団体に呼びかけた。

 アピールでは、新型コロナ禍の早期終息を願う一方で、安倍政権に「経済」よりも「人々の命と暮らし」を優先する対策を要求。自由や権利、人権や民主主義を抑制するあらゆる動きに反対するとし、緊急事態宣言発令を利用した安倍首相の憲法改定発言に抗議する、としている。

 首相は、緊急事態条項に絡む国会の質疑で「憲法審査会の場で活発な議論を期待したい」などと発言している。自民党の憲法改正草案に盛られている同条項では、国会で法律を成立させずに内閣が「政令」によって個人の権利を制限できるようになる。

 こうした状況に、県憲法会議の細尾俊彦さんは「宣言と条項は似て非なるもの。コロナ危機が憲法の危機をもたらしかねない」と警戒。自粛や休業などの「要請に従わない人たち」に批判が向けられる今の社会を、「相互監視と同調圧力が強まっている」と危惧する。

 憲法9条を守る県民過半数署名をすすめる会の山口光昭さんは「憲法で保障されている権利を、コロナのせいにして矮小(わいしょう)化してはならない」と主張。戦争をさせない1000人委員会・信州の松沢佳子さんは「このような時だからこそ、憲法を大切に守っていくということを確認し合いたい」と話す。(北沢祐生)

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