新型コロナウイルスは、どんな人にも「平等」に降りかかる脅威とされる。しかし、職種や階層、生活様式でリスクは異なるのではないか。コロナがあぶり出す「不平等」を考える。
コラムニストの辛酸なめ子さん、ほっとプラス理事の藤田孝典さん、千葉大学・予防医学センター教授の近藤克則さんに話を聞きました。
コロナ禍で大きく変わったと思うのは、「リア充」的な生活が封印されたことです。ハレの場がなくなって、おしゃれなカフェに行ったり、パーティーで盛り上がったり、「インスタ映え」する写真をSNSに投稿したりといったことができなくなりました。
拡大するコラムニスト・辛酸なめ子さん
それは、東京で華やかに見える生活を送っていた人にとっての「没落」かもしれません。地方の人に優越感を覚えていたのに、いまは「東京の人間は地方に来るな」と言われてしまう。実家への帰省も嫌がられて「オンライン帰省」とか。価値観が百八十度逆転した感がありますね。
海外暮らしへの憧れも同じで、以前は「海外に住んでいる人は勝ち組」みたいな意識がありました。でも、コロナの影響で海外から帰国した人へのバッシングも起き、むしろ反感が表面に出ています。
最近は、「みんな平等につらい思いをしよう」という変なワンチーム意識みたいなものが広がっているように感じます。「江の島がこんなに混んでいる」と怒ったりとか。誰かが楽しんでいると、自分が損するような気分になる。みんな他人に攻撃的になっているような感じがします。
コロナ禍を機に、華やかに見える生活を送っていた人と、そうでなかった人の人間関係の「格差」が縮まっていくとは思っていません。
そうではなく、これまでの価値…
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朝日新聞社会部