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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で消毒液が不足する中、大分県九重町の八鹿酒造が、手指消毒に代用できる高濃度エタノール製品「八鹿アルコール66」の製造を始めた。酒税法の特例の適用を受け、医療機関を支援する。4月30日には、県医師会に720ミリリットル入り1千本を寄贈した。

 製品は、サトウキビを原材料にしたアルコールを希釈したもので飲むこともできるが、度数は66度ある。厚生労働省は「60%台のエタノールを手指消毒に使用しても差し支えない」とする通知を出している。

 同社によると、これまでは日本酒や焼酎、リキュールの製造免許しかなかった。県の協力依頼を受け、国の特例措置でアルコールが製造販売できるスピリッツの免許を4月28日付で得たという。

 県医師会によると、消毒液は医療機関でも月1本入手できるかどうか、というほどの品不足。机などは洗剤や除菌液などでも拭き取りができるが、「手指消毒はアルコールに勝るものはない。消耗品だが、節約すると感染リスクが高まる」という。

 寄贈された1千本は医療機関に配布する。近藤稔会長は「注射も採血も手術も、消毒液がないとできない。注文してもいつ入るか分からない状況で、これだけの量をいただいて本当に感謝する」と述べた。

 八鹿酒造の麻生益寛代表取締役専務は「最前線で足りていないと聞いたので、少しでも安心と感じていただく助けになれば」。5月中に4千本を製造する計画で、約1千本は医療関係者に先行販売。11日から一般販売を受け付ける予定だ。価格は未定。問い合わせは電子メール(info@yatsushika.com)で。

 県工業振興課によると、県内では藤居醸造(豊後大野市)も特例措置を受け、消毒液に代用できるアルコールの製造を始めている。(中島健)