栃木)コロナとわたし 弁護士・石田弘太郎さん(39)

新型コロナウイルス

聞き手・中村尚徳
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 新型コロナウイルスの対策をめぐり、憲法に「緊急事態条項」を設けるべきだという声が、自民党日本維新の会から上がっています。対応のまずさや失敗を憲法のせいにして改憲を進めようなんて筋違いでしょう。改憲ありきの意図が透けてみえます。

 感染問題は現行法で十分対応できます。重要なのは現場が臨機応変にどう動くかです。現場を知らない政府が権限を握るよりも、現場に近い地方に任せて、地域の実情に応じた対応が求められています。権限を上げる緊急事態条項は実態にそぐわないし、必要ありません。

 この条項に基づいて緊急事態宣言が出されれば、内閣は国会審議を経ず法律と同じ効力を持つ政令を制定できます。憲法は個人の権利と自由を守るために国家を制限するものですが、その縛りをなくし、立憲主義を破壊しかねない条項なんです。認めてしまえば自分たちを守ってくれるものを自ら手放すことになるでしょう。今回の特別措置法の宣言とはまったく別の物だと理解してほしいですね。

 戦前の治安維持法では、帝国議会で廃案になった後に緊急勅令によって最高刑が死刑に引き上げられました。適正手続きが担保されていなかったから拷問で多くの人が命を落としました。権力は放っておけばどんどん乱用されます。だからこそ歯止めが必要なんです。

 憲法のありがたみは平和なときより危機的な状況の方が分かります。集会も開けませんが、今こそ憲法を考えるよい機会です。(聞き手・中村尚徳)

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