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 経済産業省資源エネルギー庁の幹部職員らが、関西電力の金品受領問題を巡る行政手続きで「ミス」を犯し、それを隠すために複数の虚偽の公文書をつくっていた。職員7人の処分につながった問題の背景には何があるのか。経産省やエネ庁の体質には問題はないのか。政府の公文書管理委員会で委員長代理を務めた三宅弘弁護士と、電力政策に詳しい都留文科大学の高橋洋教授に聞いた。(聞き手=伊藤弘毅、野口陽)

三宅弁護士「罪に問われる可能性も」

 ――今回の不正は、2018年に明らかになった森友学園をめぐる財務省の公文書改ざんとは違うのですか。

 少し違います。森友問題では、官僚が決裁済みの公文書を書き換えた。今回は、事実と違う日付を書いた公文書を作り、それを決裁した。これは「虚偽公文書作成」です。

 ――改ざんと比べ、罪は重いのですか。

 レベル感で言えば、森友問題での改ざんと違って今回は変な小細工をしたような感じで、そう重いものではないと思います。ただ、今回の不正は、関西電力の金品受領問題という重大な事案と関わってきますから。罪に問われる可能性はあると思います。

 金品受領問題を起こした関西電力に対し、エネ庁は3月16日に業務改善命令を出したが、事前に必要だった電力・ガス取引監視等委員会(電取委)への意見聴取を忘れた。これを隠すため、聴取日を命令前の15日とした複数の虚偽の公文書を作成。外部からの情報公開請求をきっかけに、一連の不正が発覚。経産省は31日付で、不正を指示した課長級職員ら7人を処分した。

拡大する写真・図版インタビューに答える三宅弘弁護士=2020年4月6日午後5時33分、東京都新宿区、伊藤弘毅撮影

 ――森友問題などを受け、人事院は18年に懲戒処分の指針を改定し、公文書の改ざんや虚偽公文書の作成をした国家公務員は「免職または停職」という重い処分を科すとしました。

 森友問題では、改ざん当時の財務省理財局長の佐川さん(佐川宣寿・元国税庁長官)が責任をとりました。そのとき、指針に公文書不正に関する規定がないことが問題になりました。野党は、罰則を盛り込んだ改正公文書管理法案を国会に出しましたが、結果として政府は法改正をせず、指針を改定して公文書不正の項目を盛り込んだ、という経緯があります。つまり、この指針の改正は、それほど重いということです。

 ――しかし、今回の不正で懲戒処分を受けたのは1人だけで、懲戒処分のなかで最も軽い戒告でした。

 私は指針改定時、公文書管理委の委員長代理でした。人事院が指針に厳罰を書いたのは「全てをそうしなきゃいけない」というわけではないけれど、「公文書不正はかくも重いものだ」ということを示したのだと認識しています。

 ――経産省は「指針を『参考』にしつつ、過去の処分例とのバランスを踏まえて処分内容を決めた」と言っています。

 「過去の先例」とは何か。公文書不正に関する指針ができる前の先例は、指針がないのだから、軽い処分しかない。改定で厳罰を書き込んだ以上、以後の処分はそれに則して決めるべきです。免職や停職でなくても、その次に重い減給にするのは当然です。戒告で済ませるのはおかしい。

 ――事務方トップの安藤久佳事…

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