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 この夏に開催されるはずだった東京オリンピックには、「反対しづらい空気」が漂っています。言論をめぐる状況を伝えるシリーズの最終回です。

 日本オリンピック委員会(JOC)の山口香理事(55)は3月19日、複数の新聞社の取材を受け、答えた。「アスリートが十分に練習できていない。東京五輪の開催は延期すべきだ」

 ソウル五輪女子柔道の銅メダリスト。国内外の選手らの不安をおもんぱかっての発言だった。新型コロナウイルスの感染者は世界で20万人、死者8千人を超えていた。それでも、政府や国際オリンピック委員会(IOC)は、今夏の開催を強調していた。

 「中の人がそういう発言をするのは、極めて残念」。JOCの山下泰裕会長(62)は翌20日、こう反応した。山口さんは会長の立場に理解を示しつつも、政府やIOCのトップらが「安全にできる」と断言する言葉から、「反対しづらい空気が生まれる」と感じている。

 山口さんは27日に予定していたJOC理事会でも延期を訴えるつもりだったが、その3日前の24日、1年程度の延期が決まった。世界の感染者数は40万人に膨らんでいた。

拡大する写真・図版延期になった東京五輪の開幕が来年7月23日に決まり、残り日数が「479日」と表示されたカウントダウンボード=2020年3月30日、東京都千代田区

「おかしいと思うこと、開催当日でも言い続けるべき」

 作家の平野啓一郎さん(44)は翌25日、感染の収束が見えないことを案じ、SNSに投稿した。

 「『来年夏まで』に設定して『…

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