オフィスなどでの新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、建物の入り口で体温の測定やマスク着用の有無を瞬時に判定する顔認証端末「Face Four」を、金沢市内の企業が開発した。マスクを着けたまま検温できるという。
開発したのは、携帯電話やセキュリティーシステムの開発販売を手がける「ダイワ通信」(金沢市入江2丁目)。端末の前に人が立つと、体から出る赤外線と周辺の気温を人工知能(AI)が比較して体温を算出し、リアルタイムで表示。マスクを着けていなければ音声で着用を促す。登録した人物は顔がマスクで隠れていても、目の間隔や顔の輪郭などで判別し、体温や出退社時間などが記録される。端末から1メートル離れても検温でき、触れる必要がない。
開発のきっかけは、同社の岩本秀成社長(54)が1月7~10日、中国広東省の街を仕事で訪れたことだった。新型コロナウイルスの感染が広がり、1月末には中国の各地で検温が行われるようになった。岩本社長は「日本でも検温の需要が高まるだろう」と考え、検温とマスク着用の有無を同時に判定できる端末の開発に着手した。3月末に販売を始め、4月には石川県や市に端末を寄付した。
すでに全国の電力会社や銀行などから約500台の注文を受けているという。今後は空港、駅などへの普及も見込み、岩本社長は「海外のように、いたるところで検温が行えるよう開発を進める」と話す。
1台約30万円。端末に最大1万人まで登録できる。問い合わせは同社(076・291・4000)。(木佐貫将司)
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