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 新型コロナウイルスを巡る現状について全国の30人以上の市民がオンライン上で意見交換する試みが4月29日にあり、松江市からも4人が参加した。社会の同調圧力や自粛のとらえ方、子どもたちとの向き合い方など、様々な立場から発言が続き、参加した公衆衛生の専門家も「勉強になった」と話した。

 企画したのは、民間の政策シンクタンク「構想日本」。2009年から無作為抽出で選ばれた市民が地域の行政課題を話し合う「自分ごと化会議」を全国各地で開催。松江市でも原発をテーマにした会議を18年11月~19年2月に計4回開いた。

 今回の「オンライン自分ごと化会議」は、これまでの会議に参加した全国の約1万人に呼びかけ、松江市や福岡県大刀洗町など7市町村から約20人が参加。行政職員らも含め計35人がテレビ会議システム「Zoom(ズーム)」で発言し、動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信された。

 会議ではまず、政府の専門家会議メンバーも務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長が新型コロナウイルスの特徴を解説。参加者からは「休業要請が出ていない地域でも『周りが営業していないから』とテイクアウトのみに切り替える飲食店もある」「介護現場では日々の生活を当たり前に続けなければ命の危険が生まれる人がたくさんいる」など、様々な立場からの発言が続いた。「情報が多すぎて判断がつかない」「幼い子への状況説明が難しい」といった悩みを語る参加者も多かった。

 一方、松江市の後藤展枝さんは「結果的に環境負荷は減った」と発言。ほかの参加者からも「リモートワークは意外に使える」「家族で過ごす時間が増えた」など、終息後に生かせる変化について指摘する意見も出た。

 会議は約3時間にわたった。最後に感想を求められた川崎市健康安全研究所の岡部所長は「私が一番勉強になった気がする。こういうフランクな場は大切」。構想日本の加藤秀樹代表は「『スマート市民議会』として、当面は新型コロナウイルスをテーマにした会議を続けたい。市民と専門家をつなぐ場にもなれば」と話した。

 構想日本によると、配信された会議の模様は、最大約140人、延べ1千人以上が視聴したという。会議の様子は構想日本のユーチューブのチャンネルで見ることができる。(長田豊)