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 安倍晋三首相は5日夕、米国と対立しているイランのロハニ大統領と電話で協議した。日本政府によると、首相は「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにも地域の安定は不可欠」として抑制的な対応を求めた。イランの革命防衛隊が先月、軍事衛星の打ち上げに初めて成功したと発表し、米イランの緊張が再燃していることが念頭にある。

拡大する写真・図版イランのロハニ大統領(左)が訪日した際、握手を交わす安倍晋三首相=2019年12月20日午後、首相官邸、岩下毅撮影

 日本外務省によると、首相とロハニ師の電話での協議は初めて。イラン側の要請で約25分間行った。首相は新型コロナウイルスの治療薬として臨床研究が進むアビガンの無償供与も表明。ロハニ師は、日本が世界保健機関(WHO)などを通してイランに25億円規模の支援を行うこととあわせ、謝意を示したという。

 両首脳の電話協議は、イラン側が軍事衛星の打ち上げ成功を発表した先月22日に予定されていたが、「イラン側の技術的な問題」(日本外務省関係者)で延期となっていた。

日米安保担当も電話協議

 一方、国家安全保障局(NSS)の北村滋局長は5日朝、米国のオブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)と25分間、電話協議を行った。NSSの発表によると、北朝鮮情勢や新型コロナウイルスへの対応について意見交換したという。日本政府関係者は、米イラン関係については「話題に上っていない」としている。(菅原普、北見英城)

拡大する写真・図版北村滋・国家安全保障局長(中央)=2020年2月28日午後、東京都千代田区、福留庸友撮影