米西部ユタ州で4日、5歳の男児が1人で車を運転し、自宅から3キロ離れた高速道路を走行中に、パトロールしていた州高速道路警察隊によって保護された。物損を含む事故は起きていない。同隊の会見や発表文、車載カメラの映像から、できごとの概要が明らかになった。
4日午前11時45分ごろ、ユタ州の州都ソルトレークシティーから北に50キロほど離れたオグデンで、高速隊のリック・モーガン氏はパトロールをしていた。米西部を南北に走る「インターステート・ハイウェー15」と呼ばれる高速道路上で、小型のSUV(スポーツ用多目的車)が蛇行し、車線を度々はみ出しているのを見つけた。軽い渋滞が起きており、「病気か、なんらかの機能障害か」と疑いながら、サイレンを鳴らして近づいた。
小型SUVはブレーキをともし、路肩に止まった。モーガン氏も車を止め、歩いて近づいたが、運転手の頭部が確認できなかった。
運転席側の窓をのぞきこむと、座っていたのはグレーのパーカを着た男児だった。保護者らしき人物も車内には見当たらない。「全く予期しない光景だった」という。
モーガン氏は「ヘイ、マイフレンド。君は何歳だい? 5歳?」と話しかけた。体が大きめで、8~9歳のように見えたという。男児はブレーキペダルに足が届くよう、運転席の前端に座っていた。頭部が見えなかったのはそれが理由だった。
モーガン氏はどうやって運転を覚えたのかや行き先などについて、質問を重ねたが、男児はうつむき、いまにも泣き出しそうだった。それでも、700キロ以上離れたカリフォルニア州に行こうとしていること、そこで高級車・ランボルギーニを買いたかったこと、そして、所持金が3ドルしかないということなどが判明した。
高速隊や地元テレビ局による…