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 ドイツのメルケル首相は6日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために導入していた規制の大幅緩和策を発表した。大規模商店やホテル、飲食店などの再開を州の判断で段階的に認める。再び感染者が増えれば規制を復活する前提だが、多数の感染者が出ている欧米主要国のなかで、いち早く市民生活の正常化に踏み出す。

 全国16州の州首相らとの会議で決めた。メルケル氏は会議後の記者会見で「ウイルスの大流行の第一段階は通過した」としたうえで、「私たちは少し勇気を出す余裕がある。だが、慎重でなければならない」と述べた。

 公共交通機関や店舗の中ではマスク着用を義務づけ、他人との距離を1・5メートル保つという接触制限は、6月5日までは続ける。こうした条件の下、再開する業種や時期を州の判断で決める。ある州では5月9日にも、飲食店の再開が認められる予定だ。

 子どもの保育施設や一部の学年で授業を始めている学校については、夏休みに入るまでに全て再開する方向で各州で準備を進める。

 ドイツのプロサッカーリーグも、欧州5大リーグとしては最も早く、今月後半に無観客での再開が認められた。ただ、コンサートや祭りなど大規模な集客を見込む催しはとりあえず8月末まで禁止を続ける。

 ドイツの感染者数は16万人超だが、伸びは鈍った。感染者1人が何人にうつすかを示す実効再生産数は最近、収束の目安となる1を下回る0・7程度で推移している。4月20日以降、800平方メートル以下の商店の再開などの規制緩和を実施していた。

 メルケル氏は更なる緩和には慎重だったが、規制復活の条件を決めることで、各地の実情に合わせて判断できるようにした。今後、特定の地区で、過去7日間に人口10万人当たり50人以上の新規感染者が出れば、また制限を導入する。(ベルリン=野島淳)