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 太平洋戦争中、捕虜だった日本軍兵士の集団脱走事件が起きたオーストラリア南東部の町カウラで、日本庭園が財政難に直面している。新型コロナウイルス対策の外出規制を受けて、休園が続いているためだ。サクラも花を咲かせる日豪の和解の象徴を助けて、と庭園は寄付を募っている。

 カウラにあった捕虜収容所では1944年8月、日本兵ら約1100人が脱走を試み、失敗。234人が亡くなった。和解の象徴として造園家の中島健氏(故人)が日本庭園を設計し、79年、町の中心部近くに整備された。

 新型コロナの感染拡大に伴う外出規制の影響で、庭園は3月26日に閉鎖された。休園中も、5ヘクタールの広大な庭園を5人の庭師が手入れする必要がある。運営は大人が15豪ドル(約1千円)の入園料が頼りで、マネジャーのシェーン・バッジさんは「寄付なしに施設を維持するのが難しい状況だ」と話す。

 南半球の春に開かれる恒例の「サクラ祭り」には、多くの日本人も訪れる。今年は9月26日に予定しており、それまでの運営経費として20万豪ドル(約1400万円)を目標に寄付を呼びかけている。資金調達サイト「ゴー・ファンド・ミー」〈https://www.gofundme.com/f/jc3be-a-cause-i-care-about-needs-help別ウインドウで開きます〉からカードで寄付ができる。(シドニー=小暮哲夫)