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 新型コロナウイルスの感染拡大で、学校が休校し外出自粛が求められる中、子どもたちが室内でけがをする可能性が高まっている。病院に搬送されてくる子どもの増加に危機感を募らせた大阪府の救命救急医が、ウェブサイトをつくり、注意を呼びかけている。

 救命救急医は堺市立総合医療センターの犬飼公一さん(33)。犬飼さんによると、室内でけがをしてセンターの救命救急科に3、4月に搬送され、入院が必要なほど症状が重かった子どもは、昨年は2人だったが、今年は6人に増えた。

 遊んでいて換気のために開けてあった窓から転落し腕や足の骨が折れたり、親と一緒に料理しようとして大やけどをしたり、家の中で遊んでいて誤って階段から転落し意識障害となったりした。ボタン電池をのみ込んで全身麻酔をかけて取り出したケースもあったという。

 大学生の頃から学習支援をはじめ子どもたちを支える活動を続け、現在は子どものけが防止の啓発に取り組む犬飼さん。きっかけは、医師になり、窒息事故など意識不明の重篤な状態で救急搬送される子どもたちが相次いだことだった。事故の可能性について知識があれば防げるものが多いと感じた。

 ただ、親に四六時中、目を光らせているように求めるのには無理がある。犬飼さん自身、1歳の息子と4歳の娘の父親で、息子が生後4カ月の頃、急に寝返りしてベビーベッドの敷物に顔が埋もれ、慌てたことがあった。「危険を予見できるように大人が知識を持つことに加え、事故が起きにくい商品改良の提言も同時にしていきたい」と考えるようになった。

 その矢先に、新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校措置。子どもたちが自宅で過ごす時間が多くなれば、けがをする機会も増える。ストレスや運動不足で、ソファから飛び降りるなど普段と違う乱暴な遊び方になっていくことも心配する。

 そこで「Save the Future」と名づけたプロジェクトを発足させ、ウェブサイト(https://www.savefut.com/別ウインドウで開きます)を設けた。室内で注意すべきチェックポイントを紹介し、子どもがけがをしそうになって「ヒヤリ」とした具体的な事例を集め、子育てをする親に情報共有できる仕組みをつくったり、メーカーに伝えて商品改良につなげたりしたいと考えている。

 犬飼さんは「子どもの室内のけがは、ほとんどが予防可能といわれている。けがをする可能性を事前に把握し、リスク管理が得意な救急医が先手を打って回避させることで、一人でも多くの子どもたちの未来を守りたい」と話している。(山田佳奈)

主な室内安全チェックリスト

《リビング・台所》

・小さな部品、電池、硬貨、薬、たばこ、アイロンなど熱くなるものを子どもの手の届く所に置かない

・ピーナツなど乾いた豆類を食べさせない

・テーブルクロスなどは、引っ張って食べものによるやけどの可能性があるため使用を控える

・室内ジャングルジムなどの室内遊具のつなぎ目のゆるみや強度を確認しておく

《トイレ・風呂・洗面所》

・ぬれて滑りやすい床になっていないか

・トイレ用、お風呂用洗剤は子どもの手の届く所に置かない

・ドラム式洗濯機や浴室の扉はチャイルドロックや外鍵をかけておく

・わずかな量でも残し湯はしない

《寝室》

・ベッドと壁の間や、ベッドとベビーガードの間に落ちてしまうような隙間がないか

・ベッドの周りにぬいぐるみなどを置かない

・ベビーベッドの柵の高さを確認する

・寝かせるときはあおむけに寝かせる

《ベランダや窓付近》

・出入り口は施錠されているか

・ベランダや窓の手すり近くに踏み台になるような物を置かない

・ブラインドやカーテンを束ねるひもは子どもの手の届かない所にあるか

(Save the Futureのウェブサイトから)