拡大する写真・図版映画監督の樋口真嗣さん

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 風邪に似た症状だが、恐るべき毒性を持つ新たな感染症によって、人類が存亡の危機にさらされる――。新型コロナウイルスの感染が広がる現在の世界を彷彿(ほうふつ)とさせる小松左京さんのSF小説「復活の日」とその映画化作品が、今また、多くの人々の心をとらえている。代表作「日本沈没」も1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災のときに読まれた。危機の時代に人々の心の支えとなる小松作品の魅力と本質とは何か。2006年の映画「日本沈没」を監督した樋口真嗣さん(54)に聞いた。

 1973年の映画「日本沈没」を見たのは小学校2年のときです。それまで見ていた怪獣映画とは違う、現実と地続きの世界を扱った作品であることに驚きや怖さを感じる一方で、何か心引かれるものがありました。

拡大する写真・図版1964年に早川書房から書き下ろしで出版された際の「復活の日」表紙

 なぜ、この映画や原作に魅力があるのか。他の映画や小説では、現実の政治や社会を批判する視点の物語もあるのですが、この作品では政治家も官僚も学者も民間人も一体となって、巨大な災害に立ち向かっていく。「それぞれの立場の人々が、こうであって欲しい」という一種のユートピアを描いた作品なのだと思います。

 小松作品からは、学問や科学に…

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