拡大するブッヘンバルト強制収容所跡。左から監視塔、遺体焼却場、フェンス、門がある=2月19日、ドイツ・ワイマール近郊。藤田直央撮影
かつて民主主義がナチス独裁を生んだドイツ。フランクフルト近郊の州立校での歴史の授業で、処刑されることもあった「抵抗」の例を高1にあたる生徒に詳しく教えていた。その意図を教師のローラ・スキピス(34)に聞いた。
きっかけは、ブッヘンバルト強制収容所跡の見学だった。死者約5万6千人を出した経緯に加え、近郊の古都ワイマールを権威づけに支配したナチスを、市民が受け入れた様子が展示されていた。
生徒らは教室で、ナチスが「政治犯」やユダヤ人などを迫害し、多くのドイツ人は無抵抗だったと学んでいた。それでもブッヘンバルトに行くと「なぜ無抵抗だったのか。抵抗は全くなかったのか」という質問が次々と出て、「抵抗」の授業につながったという。
拡大するナチズムを生徒にどう教えるかを話す教師のローラ・スキピス=2月、ドイツ・フランクフルト近郊の州立ハインリヒハイネ校
スキピスは「命をかけた抵抗もあり、失敗しても理念は基本法に継がれた、と生徒に伝えたかった」と述べた。戦後ドイツの基本法(憲法)は、人間の尊厳保護を国の義務とし、自由で民主的な秩序を侵害する政党は違憲と明記する。「その理念を極右が脅かしている今、特にそう思います」
2日後、私もブッヘンバルト強…
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朝日新聞国際報道部