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感染撲滅という正しさが生む村八分 磯野真穂さんの警鐘

有料会員記事新型コロナウイルス

聞き手・高久潤
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 「新型コロナウイルスに、絶対に感染してはならない」――。いま、誰もがそう思っている。自分がつらいから、だけではない。周囲の人に感染を広げてしまうかもしれないからだ。だが、医療人類学者の磯野真穂さんは、そんな道徳的な思考が「正しさ」として社会を覆うことに警鐘を鳴らす。どういうことなのか。

磯野真穂さん略歴

 〈いその・まほ〉 1976年生まれ。著書に「医療者が語る答えなき世界」「ダイエット幻想」、共著に「急に具合が悪くなる」など。不確実な未来の中での人間の生き方をテーマに、病気の当事者や医療関係者らの聞き取りを続ける。

 ――緊急事態宣言が延長されました。私たちが行動を変えたことで、感染拡大は抑制されつつあるようですが、むしろ危機感を抱いていると聞きました。

 「新型コロナの感染者数や死者数、予想のグラフを私たちは今、メディアを通じて毎日のように見ています。さらに、専門家は『あなたの無責任な行動が誰かの命を奪うかもしれない』と警鐘を鳴らす。新型コロナ感染のリスク管理を徹底的に追求する社会。それが今、私たちの暮らす社会です」

 「スーパーマーケットでの買い物のときに、人とどれくらいの距離を空けるか、店に入る人数は何人くらいまでか――。さらに、政府の専門家会議が4日に打ち出した『新しい生活様式』では、『食事は、対面ではなく横並び』『食事の際は料理に集中し、おしゃべりは控えめに』などと、私たちのささやかな生活にまで、行政がさらに入り込んできました。飲食店などが、営業の自粛要請に従わないと市民から批判にさらされているなかで、です。私は、このような『指導』が国家から出ることだけではなく、市民がそのような指示を進んで求めることにも違和感がありますが、『日本では、セーフとアウトの判断基準が分かりづらい。行政はもっと基準をはっきりさせろ』という声の方が強くなっているようです」

 ――当たり前ではないでしょうか。自分が感染するのも恐ろしいですが、気づかぬうちに他人を感染させているかもしれない。

 「でも、そのリスクを恐れて…

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