「生き残りには差別化を」 トヨタ販売店、全車種併売に
千葉卓朗
「ネッツ」「カローラ」「トヨペット」「トヨタ」。これまで系列ごとに別々の車を売ってきたトヨタ自動車の販売店が、同じ車を売る「併売」が8日から始まった。何が起きるのか。トヨタのおひざ元愛知県の有力販売店「ネッツトヨタ名古屋」の小栗成男社長に聞いた。
――これまで、トヨタ自動車の販売店は系列ごとに売る車が違いました。
「小型車を求める人はネッツ店、高級車ならトヨタ店、というように系列ごとの差別化ができていました。系列を維持するために、トヨタが専用の車をつくって売ってきた側面もあります。しかし、車の国内販売は年々減っています。昔ほど売れないのに、系列が四つもある必要はない。これが、併売化の理由の一つだと思います」
「国内の販売店は新車市場に比べて多すぎます。だが、販売店は地域で長年経営しており、すぐには減らない。全車種併売になると、トヨタのすべての販売店が同じ車を売るようになり、販売店同士の競争が激しくなる。販売店は淘汰(とうた)されていくだろう」
――客にとっては、良いこと…