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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、埼玉県所沢市に工場がある段ボール製造会社「出羽紙器製作所」(本社・東京都板橋区)が役所や企業の窓口で使える飛沫(ひまつ)防止用の段ボール製間仕切りを作った。すでに約2万セットが売れたというが、小林正臣社長(44)は「もうけはほとんどありません。社会の役に立てば」と話している。

 間仕切りは、段ボールで枠を組み立てて、付属の透明のビニールシートを正面に貼り付けて使う。「1面タイプ」(税込み550円)と両側面もカバーできる「3面タイプ」(同750円)の2種類。簡単に組み立てられ、アクリル板の間仕切りなどよりも安価なのが特徴だ。

 元々は社内での感染予防のために4月上旬に急きょ作ったが、その後、小林社長が取引先の金融機関の窓口に人が殺到しているのを見て外部への提供を決めた。口コミなどで話題となり、4月中旬の販売開始から約2週間で自治体や金融機関、企業のコールセンターなどに約2万セットが売れ、現在も1日100件超の注文が来るという。

 開発は2018年に立ち上げた同社の「デザイン部」が担った。商品開発も兼ねて段ボールのいすやゴミ箱、アート作品の制作も手がけてきたが、社内用に急きょ制作を任せた間仕切りも、「意外にしっかりとした物ができあがった」と小林社長。所沢市の工場で製造し、商品化した。

 ただ、採算は度外視している。販売価格は低く抑え、地元の所沢市役所をはじめとする自治体や医療機関などには積極的に寄贈もしている。小林社長は「経済全体が落ち込むと段ボール業界は生き残れない。会社の存続のために、今は社会貢献をするべきだと考えました」と話す。(吉岡資)