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 新型コロナウイルスの感染拡大で客足が減った京都府内の飲食店で、クラウドファンディング(CF)を活用し、当座の資金を調達する試みが始まっている。支援者は「未来の食事券」を買い、売り上げ減に苦しむ店を支える仕組みだ。

 京都市の飲食店経営者ら6人が企画した「BUY LOCAL KYOTO(バイ・ローカル・キョウト)」。京都信用金庫(京都市下京区)の協力で参加店の募集などを行い、これまでに府内のレストランや居酒屋など約100店が参加している。

 支援者は、支援したい店と、3千~30万円(決済ごとにシステム手数料220円)の支援額を選ぶ。支援額分のチケットをもらえ、7月20日以降に使える。

 5月末まで募集中で、当面の調達目標額500万円は超えた。発起人の一人、イタリアンレストラン「ダニエルズソーレ」などを経営する「グラマラスフード」(中京区)の赤松佐知子社長は「不安の中、今回の企画でスタッフたちが明るい気持ちになれた」と言う。

 同じく発起人の一人、酒類卸会社「ディオニー」の前田豊宏社長も「飲食店と流通業、金融機関の3者がタッグを組んだ支援の取り組みは全国的にも珍しい。共感が全国に広がることを期待したい」と話した。(佐藤秀男)

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 地元飲食店を支援する取り組みは、府北部でも広がっている。

 綾部市では、綾部商工会議所青年部と綾部青年会議所の有志が3月中旬、仕出し弁当を市内の飲食店に発注して応援する「縁助意(えんじょい)あやべプロジェクト」を始めた。宴席の予約をキャンセルした店に仕出し弁当を発注したり、職場単位で昼食として注文したりし、SNSにその写真を「#縁助意あやべ」のハッシュタグを付けて投稿してもらう。

 青年部の小寺建樹(たてき)会長(39)は「V字回復とまではいかないが、わずかでも助け合いたい」。同商議所経営支援員の小島徳之(のりゆき)さん(38)も「自宅でちょっとぜいたく気分を味わってほしい」と呼びかける。

 由良川のほとりにある老舗の料理旅館「現長」は3月、ほぼすべての予約がキャンセルとなり、売り上げは前年同月の3割ほどまで減った。代々家族で営んできた一瀬健太さん(34)は「仕出し弁当の発注がなければ、もっと減っていた。みなさんの思いが本当にありがたい」と話している。

 京丹後市では、地元有志のグループ「All Tango Action」が4月中旬、持ち帰りや配達に対応する地元の飲食店をまとめて紹介するウェブサイト「TAKE OUTたんご」(https://takeout-dish.com/tango/別ウインドウで開きます)を開設した。同市のほか、宮津市や与謝野、伊根町のカフェや居酒屋など約60店舗が登録している。

 代表の坂田真慶(まさよし)さん(33)は「地元の飲食店をみんなで支えたい。これまで知らなかった店を知る機会にもなれば」と話す。(大久保直樹)