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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、宿泊施設や観光施設に群馬県が出していた休業要請。県は7日、大型連休の終了に合わせ、要請を解除した。一方、政府は旅行を控えるよう引き続き呼びかけており、いつもは全国からの観光客でにぎわう草津温泉(草津町)や伊香保温泉(渋川市)、四万(しま)温泉(中之条町)に「解除ムード」はほとんどない。関係者からは、先行きを懸念する声がもっぱらだ。

 「真っ暗で、ゴーストタウンのようだった」。伊香保で旅館「お宿玉樹」を経営する関口征治さん(46)は、連休中の温泉街を寂しげに振り返る。連休が明けて休業要請の対象から外れたとはいえ、7日以降もまだ採算が合うだけの来客が見込めないことから、14日まで臨時休業を続けることにした。「状況は変わらない」と関口さん。15日以降も予約は1日数組で、予約状況なども見ながら本格的な営業再開の時期を決めていくという。

 渋川伊香保温泉観光協会によると、協会加盟の44軒の旅館やホテルのうち、7日に営業を再開したのは5軒。大森隆博会長(64)は「まだ『伊香保に来てください』と声を大に言える状況にはない。いまはお客さんに安心して来てもらえる準備をする期間にしたい」と複雑な思いを語る。

 四万温泉協会でも同様で、34軒の旅館やホテルのうち7日からの営業再開は2割程度。再開しても、予約がほとんど入っていない宿泊施設もあるという。

 年間約300万人が訪れる草津温泉も、5月中は営業を自粛する大手の旅館やホテルが多い。普段なら大勢の観光客でにぎわう温泉のシンボル「湯畑」の周りも人影はまばらでひっそりとしている。人気の観光施設「熱乃湯」の「湯もみと踊り」のショーや、日帰り温泉「大滝乃湯」などは、7日以降も営業を自粛している。

 草津温泉観光協会の市川薫会長は「緊急事態宣言が解除になれば、『温泉でゆっくりしよう』と、またお客様に来ていただけると思う」と話した。(森岡航平、柳沼広幸)