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 新型コロナウイルスの感染拡大で消毒用アルコールが不足する中、県内の酒造メーカーがその代用になる高濃度アルコールの製造を、相次いで始めている。

 厚生労働省は4月、特例としてアルコール度数の高い酒を消毒用アルコールの代替品として使うことを認める見解を示している。そこで、高濃度の蒸留技術のノウハウを生かして役に立とうと、各メーカーが開発に着手した。

 朝倉市の「篠崎」は、あらかじめ保有していた40%の本格焼酎(米や麦)を蒸留器で再度蒸留して高濃度エタノール(66%)を製造し、香料を加えてスピリッツとした。「ALC66レッド」と命名し、全国の量販店や酒販店などに約30万本の供給を見込む。医療機関などからも問い合わせがあるという。

 篠崎は2017年の九州北部豪雨で蒸留器や店舗などが浸水し、大きな被害を受けた。篠崎倫明・経営企画部長(42)は「多くの方々から温かい支援をいただいた。その恩をお返ししたい思いをずっと抱いていた。今がその時だと感じている」と、製造への思いを語る。

 大刀洗町の「研醸」は医療機関で手指の消毒にも使えるスピリッツ「KENJOU ALCOHOL 70%」を製造。高齢者施設などから問い合わせが相次いでいることから、4月下旬にこうした施設への優先販売を始めた。

 お酒としても楽しむことができ、さわやかなライムの香りが特徴だ。焼酎消費の主力である飲食店への販売は見通しが苦しいが、営業課長の竹田勲さんは「ご家庭でも楽しんでもらえれば」と話す。(竹野内崇宏、前田伸也)