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 新型コロナウイルスの感染拡大は、内定取り消しや雇い止めなど、働く人たちに大きな影響を及ぼしている。なかには、デートなどをする見返りに金品をもらう「パパ活」に走ったり、ネットで「援助交際」の相手を探したりする女性もいる。兵庫県警幹部は「犯罪に巻き込まれることにつながる」と懸念している。

 身長○○センチ。体重○キロ。撮影、録音、個室はダメ。コロナのせいで内定取り消しに――。

 就職予定だった会社から内定を取り消されたというある20代の女性は4月上旬、ツイッターに「パパ活募集」の言葉とともに書き込んでいた。記者がツイッターで取材を申し込むと、「対面や電話は無理だけど、ツイッター上なら」とメッセージのやりとりに応じてくれた。

 女性は関西のある会社から内定をもらい、今春から働く予定だったが、3月に内定を取り消された。海外渡航歴を聞かれ、2月に旅行したことを伝えると、急に「来なくていい」と言われたのだという。

 女性は、新型コロナのせいだと思っている。理由を聞いたり、抗議したりすることなく、取り消しを受け入れたのは、このまま就職して「ばい菌扱い」されるのが怖かったからだ。

 あてにしていた月約18万円の手取りが消えた。女性は、就職のため一人暮らしを始めており、家賃の支払いに困っている、と記者に窮状を訴えた。年下のきょうだいがいる実家に仕送りもするつもりだった、とも嘆いた。

 貯金は財布にある3万円。たどり着いたのが、友人もやっていた「パパ活」だったそうだ。

 感染リスクや見知らぬ男性に会う怖さはないのか。女性は不安を認めつつ、「お金のためになんとかするしかないです」と答えた。ツイッターの書き込みには数十人から返事があり、何人かと会う約束をしたという。

 一方、神戸市内の風俗店で10年近く働く20代の女性は「店が休業し、一緒に働いていた女の子たちはお金に困って死ぬしかないと言い合っている」と、記者に打ち明けた。

 新型コロナの影響を受けた事業者や労働者に対する助成金などの制度もあるが、家族に内緒で働いていたり、税務申告をしていなかったりするケースが少なくないといい、「助成金はあてにできない」と言う。

 女性は開業資金をためるために働いていたが、4月は収入が半減した。同僚にはシングルマザーなど、この仕事で生計を立てている女性も多い。だが、転職しようにも履歴書に職歴を書きづらく、今の仕事を続けるしかないのが実情だという。

 女性のもとには、同じ仕事仲間から10万円単位の借金の打診が相次いでいる。「消費者金融に走ったり、出会い系サイトで援助交際の相手を見つけようとしたりしている人もいる」と嘆く。

 こうした動きについて、捜査関係者は「ネットを介して見知らぬ人と会い、金品をやり取りすることは、何らかの犯罪に巻き込まれる恐れがある。生活のためだとしても、安易に会うことは控えてほしい」と話している。(笹山大志、五十嵐聖士郎)