元外交官で、橋本、小泉両政権で首相補佐官を務めた、外交評論家の岡本行夫(おかもと・ゆきお)さんが死去した。74歳だった。政府関係者によると、新型コロナウイルスに感染し、4月下旬に亡くなったという。

 1945年、神奈川県生まれ。一橋大卒。68年に外務省に入り、北米第一課長などを歴任したが、91年に退官。コンサルタント会社を営みながら、外交評論家として活動した。

 96年に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還で米政府と合意した橋本政権で、制度発足後初の首相補佐官となった。沖縄担当として、政府と地元のパイプ役を務めた。「自由な立場で発言したい」と無報酬の非常勤を希望。何度も沖縄入りし、沖縄県の経済振興策の策定や米軍普天間飛行場の返還問題などで奔走した。

 2001年には小泉政権の内閣官房参与に就任。外交課題で情報提供や助言を行った。03年に小泉政権のイラク問題を担当する首相補佐官に。イラク戦争後、たびたびイラク入りし、復興支援策などに尽力した。

 集団的自衛権は現行憲法下でも行使できるとして、行使容認を盛り込んだ安全保障関連法を審議した衆院特別委員会の公聴会で与党推薦の専門家として出席した。マサチューセッツ工科大学国際研究センターシニアフェロー、NTTデータ取締役などを歴任した。

 朝日新聞社による慰安婦報道を検証する第三者委員会の委員も務めた。

 著書に「さらば漂流日本」「日米同盟の危機」。テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍した。