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 検察官の定年を65歳に引き上げ、内閣の判断で検察幹部の「役職定年」を延長できるようにする検察庁法改正案の委員会審議が8日、与党が強行する形で始まった。立憲民主党などの野党統一会派や共産党は森雅子法相が出席する形式を求めたが、与党は拒否。多くの野党議員が欠席する中で開かれた。

 同法改正案は国家公務員の定年を65歳に引き上げる国家公務員法改正案などと一本化し、提出された。与党は国公法を扱う内閣委員会のみで審議し、武田良太・国家公務員制度担当相に答弁させる方針を示してきた。

 一方、黒川弘務・東京高検検事長(63)の定年延長問題を追及する野党は森法相の出席が必須として、内閣委と法務委の連合審査を求めた。与党は応じず、松本文明・衆院内閣委員長(自民)が職権で委員会開催を決めた。野党統一会派の今井雅人氏は記者団に「森法相を出したくないという向こう側の意思表示だ」と語った。共産の塩川鉄也氏は「新型コロナウイルスの感染症対策に全力を挙げる時。火事場泥棒だ」と与党を批判した。

 8日の衆院内閣委に出席したのは自民、公明、日本維新の会の議員のみだった。検察庁法改正案への質問はなかった。与党は、来週中の委員会採決をめざす。

 安倍内閣は1月末に政権に近いとされる黒川氏の定年延長を閣議決定。検察トップの検事総長に就ける道を開くことになったため、「検察の私物化」との批判の声が上がった。

 その後提出された検察庁法改正案は、検事長などの幹部は63歳で退く「役職定年」を設けたうえで、その年齢を過ぎても内閣が認めればポストにとどまれるとする内容。昨年10月末段階では役職定年の延長規定はなく、野党は「黒川氏の定年延長を後付けで正当化する法案」と指摘している。(三輪さち子、小林豪)