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 全国の自治体に配分される政府の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の臨時交付金をめぐり、北海道の7割超に当たる140の市町村が、2008年のリーマン・ショック時の臨時交付金の半額以下しか受け取れないことが分かった。安倍晋三首相は「リーマン・ショックのときよりは、相当多くなっている」(4月17日の会見)と話していた。増えるのは札幌など12市だけで、自治体からは早くも、追加の交付金を期待する声が出ている。

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 「こんなものかと思った。目算が狂った」

 深川市の佐藤秀樹・企画財政課長は、コロナ交付金の金額が提示された時のことをこう振り返る。リーマン・ショック時の臨時交付金の45%、約1億4千万円にとどまったからだ。

 多くの市町村は、新型コロナの経済への悪影響を食い止めようと、プレミアム付き商品券の発行や休業協力金など独自の対策を打ち出している。財源として参考にしたのが、リーマン時の臨時交付金の自治体への配分額だった。安倍首相や自民党の岸田文雄政調会長らが、この制度を引き合いに出して説明していた。

 深川市の場合、提示金額で何とかまかなえるという。だが、実際の金額を知る前に、それ以上のお金がかかる対策を打ち出してしまった自治体もある。

 リーマン時の交付金のわずか13%、約2420万円だった西興部村。金額提示前に、約1050人の全村民に1人あたり2万円の地域振興券を配布するなど、関連経費を入れて2700万円の経済対策を打ち出してしまった。

 菊池博村長は「もうすぐコロナ禍が治まるというのであれば、何とかなるかもしれないが、しばらく続くとなると『一体どうするんだ』という話になる」とうなった。

 今回の臨時交付金は、額面は1兆円だが、地方が単独で使えるのは約7千億円。さらにその半分の約3500億円が全国の市町村に分配される。リーマン時は市町村分の総額は約6千億円と手厚かった。今回は北海道庁への交付金が186億円と約12億円増えたが、市町村への総額は、前回の半分になった。

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 計算式への疑問も出ている。

 病院や障がい者支援施設で計22人の集団感染が発生した遠軽町の佐々木修一町長は、リーマン時の2割強という提示額に「患者数や規模が必ずしも反映されておらず、計算式には疑問がある」と漏らす。感染者2人が出た新ひだか町(前回の33%)の担当者は、「自治体によって額のばらつきが大きい」ことから計算式に不信感を隠さない。

 内閣府などによると、リーマン時の計算式では、過疎地域への配慮があったが、今回は人口規模が大きいほど配分が増える重み付けがなされている。また、計算式に「内閣総理大臣が定める」部分があり、ここがブラックボックスになっていると、指摘する市町村担当者もいる。

 北海道内でリーマン時より増えたのは札幌など12市のみ。全179市町村のうち140は前回の半額以下しか割り当てがない。

 もっとも自治体によっては、「決められた方法で計算した金額だから、淡々と受け止めている」(前回の約87%の函館市)や「計算式も違うし、多いに越したことはないが、仕方がないんじゃないか」(釧路総合振興局管内の自治体)という声もある。

 だが、一致するのは、次の交付金への期待だ。

 せたな町の高橋貞光町長は「停滞した経済をよみがえらせるには、よほど力を入れないとだめだ。回復期に起爆剤として使えるように、別途、予算措置してほしい」と訴える。伊達市も「追加の交付金を期待したい」(財政課)とする。

 美瑛町の角和浩幸町長は「国民としてはみな一緒だから、(住んでいる)自治体の財政状況や規模によって差が出ることのないよう支援いただけることが望ましいと思う」と話した。