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 緊急事態宣言が5月末まで延長となり、国内では新型コロナウイルスへの警戒が続く。感染者の少ない宮崎では社会・経済活動が再開されつつあるが、国からは「新しい生活様式」を求められている。感染症に詳しい串間市民病院の江藤敏治院長(57)=予防医学=に、暮らしの中の素朴な疑問を聞いた。

 ――宮崎では4月12日以降、新たな感染者が出ていません。警戒を緩めても良いのでしょうか。

 経済活動の状況は非常に厳しいですが、ゴールデンウィーク明けの1週間は特に警戒が必要です。感染した場合は5~7日後に一番症状が発生しやすいので、休み期間に県外との交流があった人は家から出ないことをお願いしたい。

 ――スーパーやコンビニのレジでは一定間隔を空けるよう推奨され、レジの店員と客の間には透明のシートが下げられています。並ぶ人は皆マスクをしているので、過剰な対応ではないかと思うのですが。

 飛沫(ひまつ)感染を防ぐ意味はありますが、それ以上に危機意識を喚起する役割が大きいです。また客を介して店員がウイルスを持っている場合もあります。客から店員、店員から別の客へと感染するリスクを軽減させるため、シートも有効です。

 ――紙幣や硬貨の受け渡しによる感染の可能性はないのでしょうか。

 紙の上ではウイルスが4日ほど残存するという実験結果があります。電子マネーの利用など物理的なお金を介さない工夫は効果的です。また本や食品など陳列されている品物にウイルスがないとも言いきれないので、店の出入りのたびに手指の消毒を心掛けてください。

 ――サーフィンやゴルフは屋外スポーツなので「3密」になりづらいと思います。それでも感染のリスクはあるのでしょうか。

 プレー自体に問題はないでしょう。ただそれらを介して利用する宿泊施設やレストランで感染の可能性はあるため、十分な配慮をお願いします。

 ――政府から新型コロナを想定した「新しい生活様式」が示されています。自粛時に求められていた行動と変わらず、継続することに負担感があります。

 少しずつ日常の生活に取り入れようとする気持ちが大切です。皆さんがコロナの感染予防を実行した結果、今年は例年と比べてインフルエンザの感染例が激減しています。他の病気の予防にもつながるので、マスクの着用、手洗い、うがい、密閉空間を避けるなど、できることを一つずつ増やす意識で取り組んでみてください。

 ――宮崎では外出規制が緩和されましたが、今後も自宅にいる機会は多いと思います。自宅での過ごし方として注意すべきことはありますか。

 心配なのはアルコール依存症です。最初は飲み会の自粛でお酒を飲む機会が減った人たちが、自宅で時間を持て余して飲む量が増えている。今は「オンライン飲み」もはやっています。休肝日を設け、1人で外で運動をするなどして生活のリズムをつくることが大切です。(聞き手・高橋健人)