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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請について、山形県は8日、11日以降はスナックやバーなど一部の業種を除き、要請を解除すると発表した。県外との往来は引き続き自粛を呼びかける。県立学校では18日から6月5日まで、徐々に授業を増やしていく。

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 県が10日までの休業を要請していた業種は、「3密が起きやすい」(飲食店の午後8時以降の営業、スナック、パチンコ店、映画館、ライブハウス、スポーツジムなど)、「県内外の往来に関係する」(宿泊施設、土産物店など)と広範囲に及んでいた。

 県は大半の業種で休業要請を解除、営業にあたっては感染防止対策を呼びかけることを決めた。吉村美栄子知事は8日の記者会見で「県民の協力で感染拡大防止に成果をあげており、経済活動を前に進めることにした」と理由を説明した。

 一方、「接待を伴う飲食店」(キャバレー、ナイトクラブ、スナック)、「全国でクラスター(感染者集団)が発生した施設」(バー、カラオケ店、ライブハウス)には引き続き休業を要請した。期間は、14日をめどに政府の専門家会議が開かれることなどから、11日~14日の4日間とした。ただ、要請に応じて休業しても県から追加の支援金は考えていないという。

 休業要請の対象外とした業種のうち、パチンコ店、ゲームセンター、スポーツジムについては、感染防止対策の徹底を「特に強く要請する」とした。

 県は引き続き、県境を越える移動を控えるよう呼びかけているが、宿泊施設などの観光に関連する業種も対象から外した。

 さらに、県は参加者が50人超の規模のイベントについて、県主催のものは開催を見送り、県以外が主催する場合は中止を働きかける。今後、観光関連の業種などは営業を再開しても苦しい経営も予想される。この点について、吉村知事は「県内で活動し、買い物をし、泊まりに出かけましょう」と県民が県内の経済を支えるよう呼びかけた。(三宅範和)

県立校、18日から徐々に授業

 県立学校については、臨時休校期間を15日まで延ばし、18日から徐々に授業を始めていくという基準を定めた。すでに小中学校の再開方針を決めた市町村教育委員会もある中、県教委は8日、同様の対応をするよう市町村教委に要請した。

 基準によると、11~15日は、生徒1人あたり週2回ほど3時間以内の登校日を設ける。ただ授業はせず、学習課題の指示や健康や生活状況のチェックにとどめる。授業開始は18日以降で、22日までは週3回ほど3時間以内、25日~6月5日は週5回、3時間程度に限る。

 教室などでは、換気や消毒、座席間隔の確保などの感染予防を徹底。部活動は実施しない。

 県教委の担当者は、休校期間を延ばした理由について「授業の準備期間を設けるため」と説明。国の緊急事態宣言の期限となる5月末以降も1週間は通常登校としなかったのは「文部科学省の方針が期限の直前に示されても、準備できるようにした」とした。(上月英興)

「前向きに捉えたい」「やむなく休業延長」

 多くの業種で休業要請が解除されることを受け、県内の事業者からは歓迎の声が上がった。一方で、「安全が確保できない」などとして、自主的に休業延長を決めたところもある。

 山形市中心部の居酒屋「味山海」は、11日から営業を再開する。当面の間は席数を減らし、多人数での利用は控えてもらうという。同店は4月6日から休業しており、店主の佐竹数暢さんは「ずっと収入がなく、支援金もいつ入るかわからない状況だった。前向きに捉えたい」。一方、周辺では再開時期を決めかねている店もあるといい、「誰かが先頭に立って元気出していかないと。行き場がなくて困っていた常連さんもいるでしょう」。

 パチンコ店も休業要請の対象外となった。県内のパチンコ店でつくる県遊技業協同組合は加盟する全93店に対し、営業を再開する場合は営業時間の前後1時間ずつの短縮や、店内の「3密」回避の徹底などを求める。県内では全店舗が4月25日以降は休業していたといい、組合の担当者は「経営体力が脆弱(ぜいじゃく)なところもあり、長期間休業は厳しかった。県として大きな判断だっただろう」と評価した。

 宿泊施設への休業要請も解除される。だが銀山温泉(尾花沢市)や天童温泉(天童市)といった県外からの宿泊客も多い温泉地では、一斉休業期間を5月末まで延長した。天童温泉協同組合の山口敦史理事長は「営業再開すれば、県内外を問わず宿泊客を断ることができない。もし感染者が出たらと考えると、休業延長せざるを得ない」と話した。(西田理人)

新県民ホール開館は13日に

 JR山形駅西口の山形県総合文化芸術館(やまぎん県民ホール)については、13日に開館セレモニーを開く。3月29日に予定していた記念式典を延期していて、1カ月半を経ての開館となる。

 セレモニーは簡素化し、吉村美栄子知事のあいさつと、来賓を含む6人ほどによるテープカットだけにする。14日には山形交響楽団の団員ら約10人が無観客演奏を実施し、ネット上で後日配信する。

 見学は15日から、利用は18日から受け入れる。見学は予約が必要で、利用も県のイベント開催の方針に沿って50人以下に限る。

 3月28日から休館していた県立図書館(山形市)は12日から本の貸し出しや資料の閲覧など、一部のサービスに限り再開。開館時間は午前10時~午後5時で、通常より3時間短い。県産業科学館(同)も13日から再開するが、通常の月曜に加えて火曜も休館し、閉館時刻も1時間前倒す。

 山形市は8日、4月10日から閉鎖していた霞城公園について、11日午前10時に閉鎖を解除すると発表した。マスクの着用など感染防止対策に留意しながらの利用を呼びかける。

 米沢市も、道の駅米沢の営業を11日から再開する方針を発表。営業時間は当面午前9時から午後4時に短縮する。鶴岡市は休館中の図書館など134施設を11日から順次、再開する。多くの観光客の来館が見込まれる加茂水族館は休館を続けるという。