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 栃木県足利市で7日、音が響き、花火が打ち上げられた。突然の25発だった。花火職人が渡良瀬川の河原で開かせた「花」が夕空に咲き誇った。

 打ち上げたのは須永花火田島煙火工場の田島浩さん(54)。「足利では市民全員が下を向いているように見える。それなら一瞬でも花火で上を向いて、元気になってほしい」と花火の打ち上げを思い付いた。

 100年以上続く足利花火大会も新型コロナウイルスの影響で、今夏は中止に決まった。「例年なら7、8月に全国約40カ所の花火大会に参加しているが、今夏はほとんどが中止。売り上げは95%減」と田島さん。

 花火の打ち上げは市消防本部に許可だけ取り、開始の15分前にSNSを通じて知り合いだけに知らせた。「見物の人が集まると『密集』になってしまいますから」。打ち上げは約15分で終わったが、SNS上では100件以上の反応があったそうだ。

 打ち上げた花火には、新型コロナウイルスで亡くなった人々を慰霊し、少しでも早く終息してほしい、頑張っているお母さんにエールがおくりたい、という思いを込めた。

 田島さんは「11月にある土浦全国花火競技大会(茨城県)、12月のあしかがほほ笑み花火に向けて気持ちを切り替えていきたい。来年には今年の分も上乗せして花火が打ち上げられたら」と話していた。(根岸敦生