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 県外ナンバーの車に乗る県内進出企業の関係者らへの誹謗(ひぼう)・中傷があるとして、岩手県北上市の高橋敏彦市長は、市の公式ホームページで「冷静な対応」を市民に要請するメッセージを公表した。8日の定例会見で「北上市は歴史的に市外から来られた人をもてなす空気があると自負しているだけに残念」と述べた。

 メッセージで高橋市長は「市内企業に勤務されているご家族をはじめ、職場の方やその取引先など関係者に対する誹謗(ひぼう)・中傷の相談を受けている」としたうえで「他県から転居してきたこと等を理由とした、不当な『差別・いやがらせ・偏見・いじめ』は決して許されない。是非(ぜひ)とも落ち着いて冷静な対応をお願いするとともに、子どもたちにも仲間を傷つけるような言葉づかいや態度をとらず、思いやりをもって行動するよう声をかけていただきたい」などと記した。

 同市の対策本部などによると、4月以降、県外ナンバーの車を持つ市民らから把握しているだけで2件の相談があった。1件は車の近くで「他県から来るな」と言われたという内容。もう1件は県に寄せられた転勤者の投書で、小学生と中学生の子どもが同級生に「コロナ県」とからかわれたという内容だった。転勤者は国内で感染者が確認されるより前に市内へ引っ越してきたという。

 県保健福祉企画室によると、県には6日までに10件ほどのコロナ関連の投書が届いた。県外ナンバーというだけであおり運転をされた、いやがらせを受けた――などの内容という。

 県は8日、HPにメッセージを出し、「思いやりのある行動」を呼びかけた。新型コロナウイルス感染症対策担当の阿部匡寛・特命課長は「岩手は復興途中で、支援のため来ている車もたくさんいる。県外というだけで不当な扱いを受けるのは心苦しい」と話した。(溝口太郎、御船紗子)