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 百貨店のさいか屋(本社・川崎市)は8日、横須賀店を来年2月に閉店すると発表した。前身の呉服店が1872年に店を開いてから148年続いた創業の地。長く親しまれた「さいか屋」の名を残すため、同社はサテライト型店舗での再出発を検討するが、市民らは落胆を隠せない。

 8日夕、さいか屋の向かいで店を開くマグロ丼屋。「2月に閉店って、本当ですか?」。閉店の知らせを聞いた店員は声を上げた。「うちはさいか屋での買い物帰りに来る客が多いのに、困ったな……」

 買い物を終えて出てきた女性(72)は「よそ行きの服はみんなさいか屋。成人式の着物もここだったのに、寂しいね」と話した。

 同店は1928年、百貨店としてスタート。91年には368億円を売り上げたが、近年は赤字が恒常化。8日の取締役会で閉店が決まった。同店の正従業員は約130人。非正規や外部テナントを含めれば、関係雇用はさらに膨らむ。同社は来月、藤沢店、川崎店を含め全社で120人程度の希望退職を募り、立て直しを図る。

 上地克明市長は「横須賀の商業のシンボルで残念の一言。従業員が速やかに再就職できるよう支援したい」とコメントした。(佐々木康之)