拡大する写真・図版LINEのビデオ通話で接客をするスナック「サラヴォーン」の従業員たち〈吉岡姚(よう)曄(か)さん提供(画像の一部を加工しています)〉

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響でリモートワーク(遠隔勤務)が浸透する中、サービス産業などにも「リモート」に活路を見いだそうとする動きが出ている。コロナ禍はリモート社会を一気に加速させるか。(小林太一)

 「晩ご飯食べたの?」「壁に広島カープのユニホーム飾ってるやん」「きょうは在宅勤務だった?」

 携帯電話の画面の中から女性たちが話しかけてくる。神戸市中央区のスナック「サラヴォーン」は4月中旬から、LINEのビデオ通話(テレビ電話)を使っての接客を始めた。

 料金は1人30分1650円。ホームページやSNSで呼びかけると、初日は計4組が「来店」。自宅のソファで缶ビールを飲みながら接客を受けた男性会社員(41)は「新鮮で楽しい。また利用したいですね。店で会って話したい気持ちもありますが……」と笑った。

 新型コロナの影響で、店は3月の売り上げが4割減り、4月に入ると来店者はゼロに。政府の緊急事態宣言を受けて休業を決めた。

 スタッフの女性たちの雇用の場を維持しようと、オーナーの吉岡姚(よう)曄(か)さん(43)が自宅で接客できるビデオ通話の活用を思いついた。店に来るのは40~60代の男性会社員がほとんど。SNSに疎い人もいるため、操作方法をわかりやすく説明することを心がけているという。

 吉岡さんによると、店とは違ってカラオケができないため、歌いたい客には不向きな面があるほか、「家族がいる自宅では利用しづらい」という声もあるという。一方、「誰かと会話をしたい」という理由で利用する女性客らが増えたという。吉岡さんは「店はいつ再開できるか分からない。でも、ピンチはチャンス。同業者の希望の光になりたい」と前を向く。

トレーニングも画面越しに

 在宅勤務者に運動不足を解消してもらい、勤務先のジムやスタジオの休業で仕事が減ったトレーナーには雇用の場を確保しよう。そんな狙いで、4月上旬から配信が始まったのは「おうちトレーニング」だ。

拡大する写真・図版オンラインでトレーニング方法を教えるトレーナー。ひとつひとつの動作について、上手に体を動かせるよう声をかけてくれる(「nt」提供)

 タブレットやスマホの画面越しに、トレーナーがリアルタイムで正しいフォームを教えてくれる。

 配信しているのは、働く女性のライフスタイルをサポートする事業を展開する「nt(ニト)」(東京都千代田区)。無料の会員登録後、筋力トレーニングやストレッチ、ヨガ、肩こり改善、脂肪燃焼といったプログラムの中から受けたいものを選び、1回500円のチケットを購入する。

 最初の3日間で利用者は100人を超えた。トレーニング中にカメラをオンにすると、ほかの参加者たちも画面に現れる。「一体感がある」「実際のジムと同じ感覚になれる」と利用者の評判は上々だという。

拡大する写真・図版画面に映る「おうちトレーニング」の利用者たち。トレーナーやプログラムの日時を固定している人が多く、顔見知り同士も少なくない(「nt」提供)

 同社の矢橋瑞穂社長(29)は「トレーナーが手を振って声をかけた時、参加者のリアクションが見える。家の中でずっと仕事をしていると寂しいが、オンラインで人とつながっていることを実感できる」。

 トレーナー陣からも「アドバイス通りに体を動かせた人が画面越しに喜んでいる姿を見ると、やりがいを感じる」といった声が寄せられているという。

 最後の別れを、インターネット…

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