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 新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチン開発の動きが加速している。米国で重症患者に緊急時に使うことが認められたばかりの抗ウイルス薬「レムデシビル」は、日本でも特例で超スピード承認された。抗インフルエンザ薬「アビガン」も月内に承認される可能性があり、ワクチンの開発も国内外で進む。果たしてそんなに都合良く「特効薬」が生み出せるのだろうか。植田真一郎・琉球大教授(臨床薬理学)に聞いた。

拡大する写真・図版植田真一郎・琉球大教授(本人提供)

 ――レムデシビルは、米食品医薬品局(FDA)が1日、重症の入院患者を対象に使用することを認めました。日本でも審査を簡略化できる特例承認の対象となり、原則として人工呼吸器などを使う重症患者への使用が7日に認められました。

 米国立保健研究所(NIH)は重症患者を対象に、レムデシビルを使うグループと、プラセボ(偽薬)を使うグループに分けて比較する試験を行っています。中間報告では、回復までの期間(中央値)が、レムデシビルを使った人は11日間、プラセボを使った人は15日間だった。回復までの期間が31%速かったため、治療期間を短くできる可能性が示唆された、としました。しかし途中で試験の評価項目を変えていることや、中国での同様の試験では有効性はむしろ確認されなかったことから、少なくとも「特効薬」とは言えないと思います。

 ――日本では審査を簡略化して、承認されました。

 日本の場合は、結局米国に追従するような形でした。拙速感は否めません。臨床で使っていくうえで、効果や安全性をきちんと監視していく必要があるでしょう。

 ――そもそも、レムデシビルはエボラ出血熱の治療薬を目指して開発された薬です。エボラ出血熱に比べて致死率が大幅に低いとみられるコロナでは、薬の効果は見えにくいのではないでしょうか。

 そうですね。一般に、ほうっておいても治る風邪のような病気の場合、果たして薬に効果があったのか、自然治癒なのか、見極めが難しくなります。適切にデザインされた臨床試験を実施して有効性と安全性を検証しないと、意味のない治療を生み出すことになりかねません。

 また、このような感染症への有効性をどのように評価するかも難しいところで、人口当たりの死亡者が少ない日本では、致死率では評価はできず、どうしても治療期間など、やや精度の低い指標が入ってきてしまいます。

アビガンの効果は期待できる?

 ――そういう意味では、コロナ治療薬として期待されているアビガンも同じでしょうか。

 アビガンの抗インフル薬として…

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