拡大する写真・図版昨年の女子日本リーグ決勝で力投する上野。1日で2試合連続完投し、所属先のビックカメラ高崎を優勝に導いた=2019年11月17日、横浜スタジアム

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新型コロナウイルスの影響で延期になった東京オリンピック。突如できた1年の時間は、アスリートたちにどう影響するのか。担当記者が探ります。

ソフトボール 5年前から強化策

 ソフトボール女子の日本代表が豪州で強化合宿を行っていた今年1月、エースの姿は福岡にあった。上野由岐子はプロ野球巨人の菅野智之、ソフトバンクの千賀滉大とともに、投げ込んでいた。「投球の形を決めるのが、一番の目的。これを積み重ねていく」

 投球フォームに、変化が見られた。始動する際、グラブと球を合わせた両手を右脇腹の方に持っていく。この体の使い方を助言した鴻江(こうのえ)寿治(ひさお)トレーナーは「前日はいろんな球種を3時間ぐらい投げたけど、体が張っていない。絶好調」と太鼓判を押していた。

拡大する写真・図版今年1月、千賀(左)や菅野(右)らと自主トレをともにした上野(右から2番目)

 東京五輪が1年延期となっても、エースは37歳の上野。代表選手の顔ぶれも、大きく変わることはなさそうだ。そこには悲願の金メダルをつかんだ北京以来、3大会ぶりの五輪競技復帰で再び頂点を狙うためのチームの強化方針がある。

 野球・ソフトボールの実施が、まだ正式に決まっていなかった2015年。5年後の本番で主力となる選手の世代を「ターゲットエージ」として定め、世界選手権などの国際舞台で経験を積ませた。そこに北京を知っている山田恵里や上野ら実績豊富なベテランを加えることで、五輪の重圧に負けないチームに仕上げる予定だった。

 原則20人の強化指定選手を半年に一度入れ替えつつ、合宿を重ねてきた。その数は昨年だけで、国内が9度、海外が3度。今年も宇津木麗華監督が思い描く戦略を選手に浸透させるため、寝食をともに過ごしてきた。3月の沖縄合宿を経て、同月23日、東京五輪代表の15選手を発表するはずだった。

拡大する写真・図版今年1月、上野(右)は鴻江トレーナー(左)のアドバイスを受けて投球フォームを磨いていた

 だが新型コロナウイルスの影響で、沖縄合宿も選手発表も中止に。強化指定選手たちは現在、各所属先の方針に従っている。一切の活動が休止になったり、少しずつ自主練習ができるようになったり。対応はそれぞれで異なっている。

 強化指定選手の次回の入れ替えは10月の予定。判断材料となる日本リーグは、3~4月の前半戦が中止となり、9月5日開幕となった。日本ソフトボール協会の矢端信介・選手強化副本部長は「この騒動が収まった後、宇津木監督と選手の様子を見て、情報を得ていくことになる」と話す。(井上翔太)

ソフトボールの現在地

 野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督は、「ソフトボールは代表選手が頻繁に集まれる」と口にしたことがある。うらやましかったのかもしれない。選手の特徴に合わせたチーム作りや采配が求められる野球と、監督の考えを選手に落とし込む時間が十分にあるソフトボール。その違いは、代表選手選びにも反映される。

拡大する写真・図版(前列左から)千賀、菅野、鴻江トレーナー、上野。今年1月、自主トレをともにした

記事後半では、競技を担当する記者が「現在地」から見た思いを語ります。

巣ごもりの日々励ます取材メモ

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