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 新型コロナウイルスの感染を防ぐため、人との接触を減らすことが求められる。ただ、家などに人が訪問せざるを得ないこともあるだろう。2018年から児童精神科の診療所と放課後等デイサービスを同居させた「虹の森クリニック・こころのデイケア虹の森」(鳥取県倉吉市)を木造2階建ての一戸建てで運営している坂野真理医師に人の出入りがある場所での感染防止の工夫を聞いた。

 ――一軒家で取り組んでいる工夫はありますか

 1階に5部屋あり、これまではその一つをデイ利用者らが待機場所として使うホールとして使っていました。しかし、共有によって人との接触機会が増えます。まずはホールの利用をやめ利用者らには、車で待機してもらっています。

 さらに、通常の玄関に加えて別の玄関も使うことで、利用者同士が接触しないようにしました。利用者が同じ玄関から出入りして入れ替わるときが一番グチャッとした3密に近い状況になるからです。当然、昼休みなどには窓を開けて換気も行います。

 ――同じ屋根の下にずっといるスタッフの感染防止対策を教えてください

 常時5人ほどのスタッフがいます。マスク不足の中、こまめに手洗いやうがいをするようにしています。感染症を扱う医療機関ではないので、消毒用アルコールの備蓄をあまりしておらず、底をつきそうな有り様です。

 ――その消毒用アルコールは入手できるのですか

 ほぼあきらめ気味です。そこでCDC(米疾病対策センター)の情報などから、消毒効果のある成分を探し、その成分が含まれた日本の市販品を探しています。次亜塩素酸ナトリウムが入っている塩素系漂白剤「ハイター」や、昔保健室で見かけただろう過酸化水素水「オキシドール」、第4級アンモニウム塩が入ったクリーナーなどを入手し、毎日終業時に行うドアノブや手すりといった室内の清掃に使っています。

 ――テレワークやスライド出勤はしていますか

 少ないスタッフで班体制やスライド出勤はできません。朝の会議は一番広い部屋でできる限りの距離をとります。昼食や休憩時には2階の部屋も利用し、一つの部屋に複数人が同居しないようにしています。

 空気中を漂う微粒子エーロゾル(エアロゾル)で感染する可能性があるほどの新型コロナウイルスに対して、マスクであれ、消毒であれ、仕切り板であれ、完全に感染防止ができる手立てはないでしょう。それぞれの対策の効果は小さくとも、しないよりはした方がいい。対策を組み合わせて感染防止効果を積み上げていくことが大切だと思っています。(聞き手・長崎緑子)

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