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 電気自動車の米最大手、テスラ社は9日、カリフォルニア州にある工場が停止させられているのは米国憲法違反だとして地元のアラメダ郡を相手取り、米連邦地裁に提訴した。外出禁止令をめぐり米主要企業が提訴するのは異例だ。

 同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は9日、「我慢の限界だ」とツイートした。フリーモント工場の操業再開を認めないアラメダ郡を訴える考えを表明。実際にテスラは9日に提訴した。

 訴えでは、郡の外出禁止令は行き過ぎで憲法で保障された法の下の平等にも反するなどとし、命令の停止などを求めた。

 マスク氏はカリフォルニア州内にあるテスラ本社について「テキサス州かネバダ州に即座に移転する」ともツイートした。また、フリーモント工場を残すかどうかも、「将来的にテスラがどういう扱いを受けるかによる」と移転をちらつかせた。

 アラメダ郡を含むシリコンバレー一帯の6郡が3月17日に外出禁止令を出したことに伴い、工場は3月23日に操業を停止した。マスク氏は4月末、外出禁止令について「ファシストだ」と強い不満を示していた。

 カリフォルニア州は8日から外出禁止令を緩和し、一部の小売店や工場の再開を認めた。ただ、アラメダ郡など6郡は、従来の厳しい外出禁止令を維持。8日には、アラメダ郡幹部が、テスラのフリーモント工場の操業再開を認めない考えを示していた。マスクCEOはこの郡幹部の発言に猛反発。提訴や「本社移転」のツイートに至った形だ。

 フリーモント工場は、もともと北米進出したトヨタ自動車と、米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の合弁会社「NUMMI(ヌーミー)」の所有物だった。GMの経営破綻(はたん)を機に合弁は解消され、2010年4月に操業を停止。その後、テスラの生産工場に生まれ変わっていた。(サンフランシスコ=尾形聡彦)