鯨の街の巨大シンボル 潮風にさらされ、いまは倉庫に

有料記事

貞松慎二郎
[PR]

 捕鯨基地、そして水産都市としてにぎわった山口県下関市に、往時をしのぶモニュメントがある。シロナガスクジラをモデルにした「鯨館(くじらかん)」。旧市立水族館のシンボルだったが、閉館から20年を迎える。十分活用されないまま、潮風にさらされている。

 関門海峡に面した関見(せきみ)台公園。鯨館は茂った木々に囲まれ、ひっそりとたたずむ。体長25メートル、重さ130トンのシロナガスクジラを模した。鉄筋コンクリート製で、1958年に完成。商業捕鯨がさかんな頃で、大洋漁業(現・マルハニチロ)が市へ寄贈した。

 「もはや戦後ではない」――。経済白書がそう記した56年に「東洋一」の触れ込みで水族館は開館。その2年後にできた鯨館は、関門国道トンネル開通と市制70周年を記念した「下関大博覧会」に合わせて建設された。館内で捕鯨船の模型やクジラの生態を紹介し、硬貨を入れると頭部から潮吹きのように水が飛び出す装置もあった。

 水族館の移転に伴い、2000年12月に閉館。その後は市の倉庫となり、現在は柵の外から眺めることしかできない。

 シロナガスクジラの胎児が入…

この記事は有料記事です。残り474文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。