アイヌ民族文化財団理事長で元北海道大学総長の中村睦男さんが心不全のため死去したことが10日、明らかになった。亡くなったのは4月17日。81歳だった。葬儀は近親者で営まれた。

 中村さんは1939年、札幌市生まれ。北大院修了後、法学部教授となり、2001~07年、北大総長を務めた。この間、アイヌ民族などに関する研究教育の体制づくりを掲げ、「北大アイヌ・先住民研究センター」を立ち上げた。

 09年、アイヌ民族文化財団の前身である「アイヌ文化振興・研究推進機構」理事長に就任し、18年に同財団が発足してからも理事長を務めていた。

 専門は憲法学。18年には「アイヌ民族法制と憲法」(北海道大学出版会)を出版し、アイヌ民族にかかわる法制度と憲法との関係を論じた。今年2月には、自衛隊に対する憲法判断が問われた「恵庭事件」に関わった北大の深瀬忠一教授(故人)の業績をたどった「平和憲法とともに 深瀬忠一の人と学問」(新教出版社)の編者の一人に名を連ねた。

 今春開業の予定が延期になっている「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(白老町)を管理・運営するアイヌ民族文化財団のトップとして準備に当たっていた。当面、副理事長の加藤忠・北海道アイヌ協会理事長(81)が理事長代行を務めるという。(芳垣文子)

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