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 新型コロナウイルスの影響で、全日本吹奏楽コンクールと全日本マーチングコンテスト、全日本小学生バンドフェスティバル(いずれも全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の3大会の中止が10日に発表された。「吹奏楽さきがけの地」といわれ、演奏活動が盛んな県内の関係者からは落胆の声が漏れる一方、新たな目標を模索したいとの思いも聞かれた。

 3大会の地方大会の開催は地元の吹奏楽連盟の判断に委ねられており、県吹奏楽連盟(永井哲理事長)は15日夜に開く理事会で方針を決めるとしている。

 「生徒たちは悔しいでしょう。吹奏楽はステージ上も観客席も密な状況なので覚悟はしていたが、実際に中止、と聞くとつらい」

 桜丘中(鹿児島市)吹奏楽部を指導する坂下武巳教諭(60)は肩を落とす。全日本吹奏楽コンクールという全国の舞台に2019年まで3年連続で出場し、18年には念願の金賞に輝いた。教え子たちは4年連続出場を目指し、自らも来春の定年を控え「総仕上げの年」と張り切っていた。

 ただ「気持ちや発想を切り替えたい」とも話す。例年ならコンクール用の曲の練習に集中しがちだが、今後は音楽そのものを楽しんでもらえるように色々な曲に挑戦させ、10月の定期演奏会を新たな目標の一つにしたいという。

 昨年11月の全日本小学生バンドフェスティバルで、出場団体のうち最少の18人のメンバーで金賞を射止めた明和小(同)。指導者の坂下伸一郎教諭(53)も「さびしい、悲しい気持ちでいっぱい」。昨年のメンバーのうち10人は当時6年生で、今春卒業。部員減とコロナによる休校などが重なって練習もままならない状態が続き、「学校生活が早く元に戻ってほしい」と願っている。新たな目標はすぐには掲げにくいが、当面は取り組みやすい曲を中心に練習し、学校外での演奏活動につなげたいという。

 吹奏楽もマーチングも盛んな神村学園(いちき串木野市)。中等部・高等部吹奏楽部顧問の久木田恵理子教諭(51)は「コンクールのために取り組んできた曲の練習は続け、体育祭や定期演奏会での発表に向けて取り組みたい」と話した。(町田正聡)

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