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 新型コロナウイルスの影響で、親元から離れて福島県会津若松市で下宿する野球部員が食事に困り、監督や副部長が奮闘する。感染防止のため、気軽に外食もできない中、副部長らはなじみの猪苗代町の食堂から弁当を下宿先に運び、子どもたちをサポートする。

 部員が通うのは私立会津北嶺(ほくれい)高校(同市相生町)。硬式野球部は2018年に創部され、部員は1~3年の選手19人とマネジャー3人。うち選手8人は兵庫、大阪、東京、千葉、神奈川、栃木の出身で、学校から自転車で5分ほど離れた食事付きのアパート型の下宿で暮らす。

 感染防止のため、高校が4月21日から臨時休校となると、8人は下宿で勉強したり、近場で自主トレーニングをしたりの毎日。大型連休中もずっと下宿にいた。

 困ったのが食事だ。大型連休を含めた4月25、26、29日と5月2~6日、さらに月末までの土曜(昼食のみ)と日祝日(昼と夕食)は食事が出ない。近くに店はあるが、それも極力控えなければならない現状だ。

 そこで、同校講師で同部副部長の新田恭平さん(32)=同町=はかつて所属した猪苗代青年会議所で一緒だった「小西食堂」を両親と切り盛りする西村和貴さん(42)に、料理を作ってもらえないかと打診。「困ったときはお互いさまです」と西村さんから快諾されると、監督の篠原良さん(31)と料理を車で1時間近くをかけ、食堂から下宿に運ぶようになった。

 「育ちざかりの生徒たちでしょう、栄養バランスも大切ですが、おいしさを追求しています」と西村さん。カレーやシチューが人気で、代金は原価程度に抑えている。

 新田さんは「大切な子どもさんを預かっている責任があります。西村さんの料理を食べて心も体も元気になってほしい」。兵庫県丹波市出身の1年大由利太陽さんは「おいしく食べています。みんな、なにかの縁でつながっているのですね」と話す。(上田真仁)