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 新型コロナウイルス感染拡大により、茨城県内の多くの小中高校で休校が始まってから2カ月が過ぎた。学童保育や保育園などと同様、障害者施設も感染防止に苦慮しながら在宅が難しい子どもの受け入れを続ける。オンラインを使った支援を始めた施設もある。

 8日午前、水戸市酒門町の「あゆみ園」では、男子児童ら4人が昼食のカレー作りをしていた。ふだんは特別支援学校から下校した小中高生約20人が通うが、休校が始まった3月以降、午前8時~午後6時の開園を続け、在宅が困難な約10人が利用している。

 同園のように、知的障害や発達障害がある子どもを放課後や休日に受け入れる施設「放課後等デイサービス」は、県内に約370カ所ある。県内の特別支援学校などは5月末まで休校が決まっており、多くの施設は午前から子どもを受け入れる状況が続く。

 障害があることで、感染対策が難しい面もある。中高生でもマスク着用ができず、くしゃみやせきを職員の顔の前でしてしまう。体調不良を言葉で訴えられない子も多く、職員が表情や顔のむくみなどを見て判断する。換気のために開けたドアや窓から外に出てしまう子もいる。一方、これを機にマスクを着けられるようになったり、自発的に手を洗うようになったりと、成長も見られるという。

 施設を運営する社会福祉法人の山口和枝理事長は「子どもや職員の感染リスクを考えると休園したい」と打ち明ける。しかし、医療従事者や共働き家庭などの子どもが1人で自宅で過ごすのは難しい場合もあり、開所を続ける。

 受け入れを続けつつ、自宅で過ごす子も支援しようと、テレビ会議システムを使ったオンライン療育を始めた施設もある。

 同市千波町の「ハッピーテラス 水戸教室」。5日午前、自宅にいる男子児童ら3人がパソコン画面に映った。学んだのは公共機関の電話番号。職員が「おなかが痛い」と演技すると、「119!」と状況に応じた番号を子どもたちが答えた。約30分のやり取りを見守ったマネジャーの市毛友理さん(32)は「感染を防ぐ意味もある上、パソコン好きの子どもが多いので通所時よりも集中できている様子だった」と話す。

 普段は小中学生ら10~15人が利用するが、ここ1カ月ほどは10人未満の日も多い。有限会社が運営する施設の収入は利用人数に応じて増減するため減収になるが、オンライン療育によりいくらかは補えるという。

 厚生労働省は、県や市町村を通じて「感染状況を踏まえて通所サービスの縮小や休業の検討」するよう要請する一方、状況に応じて開所することも求める。市毛さんや山口さんは「在宅が困難な子どもがいるため、縮小や休業は難しい。施設の性格上、感染対策が難しい面もあるのに、開所の判断は現場へ丸投げになっており、戸惑いがある」と口をそろえる。(小島弘之)