迫害うけ来日のロヒンギャ家族、収入や学びにコロナの影

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今泉奏
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 新型コロナウイルス感染拡大は、ラマダン(断食月)を迎えたイスラム教徒たちの生活にも暗い影を落とす。ミャンマーから日本に逃れてきたロヒンギャの一家は、故郷での迫害に、ウイルスの脅威も加わり苦しみが重なる。「この暮らしがいつまで続くのか」。神への祈りを静かに捧げながら、不安な日々を過ごしている。

 10日午後6時38分。日没を迎えた市川市行徳駅前の民家で、モハメッド・サリムさん(45)の一家は、顔の前に両手を広げて祈りを捧げた。すでに食卓にはスパイスの効いたひよこ豆のフライやパスタ、ココナツのクレープに色鮮やかなフルーツが並んでいる。イフタール(日没後の食事会)の始まりだ。

 「私たちにとって大切な時間なので、やっぱり寂しいです」。サリムさんは、そうこぼす。例年は友人たちと近くのモスク(礼拝所)に集い、にぎやかに食事を囲む。迫害を受けながらも、モスクに行けないラマダンは人生で一度もなかった。今年はウイルス感染を避けるために、家族と自宅で静かに食事をする。

 ミャンマー西部の国境沿いの…

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