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 新型コロナウイルスの感染が広がるなか、子どもの予防接種を受けに外出していいのだろうか――。悩んでいる人は、多いかもしれない。小児科医は「予防接種を受けることは、不要不急の用事ではない。入念に備えたうえで、予定通りに受けてほしい」と呼びかけている。

 現在、就学前後までに公費負担で受けられる定期接種のワクチンの種類は八つある。ヒブ(インフルエンザ菌b型)、小児用肺炎球菌、四種混合、麻疹・風疹、日本脳炎などで、特に生後5カ月までは、ほぼ毎月、何種類ものワクチンの接種を受ける必要がある。

 斎藤昭彦・新潟大教授(小児科学)は、「予防接種の一番の目的は、適切な時期に必要なワクチンを受け、かかってほしくない病気に子どもが罹患(りかん)しないこと。現時点では、新型コロナウイルスの感染拡大は、接種を遅らせる理由にはなりません」と話す。ワクチンで防げる病気には、感染すると命にかかわったり、後遺症が残ったりするものもある。

 乳幼児の予防接種は、基本的にかかりつけの小児科クリニックなどでされることがほとんどだ。医師と相談し、接種スケジュールを組み、指定された日時にクリニックに出向く。

 体調が悪い子どもと待合室で一緒にならないように、通常診療と予防接種の時間帯を分けている医療機関が多い。心配ならば、医療機関に確認するとよい。また、医療機関の滞在時間を極力減らすため、問診票を事前に記入しておき、待合室がどれぐらい混雑するか確認する。待合室の外や駐車場の車内で待つことも考えてもいい、と斎藤さんは助言する。

 ただ、結核を予防するBCGワクチンの接種は要注意。個別接種は問題ないが、一部の自治体では集団接種の形式をとり、保健センターなどの会場が「密」となる恐れはある。日本小児科学会は「集団接種を実施している自治体は、臨時的にでも個別接種を可能としてほしい。本来なら接触する可能性のない子どもや成人を同じ場所に集めないだけで、非常に有効な感染拡大防止につながる」との見解を出している。(熊井洋美)