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 英国のジョンソン首相は10日のビデオ演説で、新型コロナウイルスの感染抑止へ3月下旬から続く外出制限などの措置を、「条件つき」で段階的に緩和する計画を明らかにした。屋外での運動は13日から、「1日1回」の制限をなくす。小学校や商店は早ければ6月から、サービス業や公共施設は7月から、一部を再開させる。

 ジョンソン氏は、死亡率や入院する人の数が減ってきたことに触れ、在宅勤務が可能な人は続けるよう求め、建設業や製造業など在宅勤務ができない職種では出勤して仕事を再開すべきだとした。近所の公園での日光浴や、同居している家族とスポーツをすることも認めるとした。

 ジョンソン氏は緩和策について、感染率が抑えられている場合に限る「条件つき」だと強調。「ロックダウン(都市封鎖)が今週終わるのではなく、感染抑止策を変更する最初の一歩を注意深く踏み出そうとしている」と語った。演説では通勤に公共交通機関を使わないよう呼びかけた。屋外では引き続き他人と一定の「社会的距離」をとることを求め、違反した場合の罰金も続けるという。

 小学校は早ければ6月1日にも再開させる。中学生以上で進学試験を来年に控えている子らには、夏休み前に教師と面会する機会を設けるとしたが、それ以外の子らの学校再開には触れなかった。

 英国政府はこれまで「ステイ・アット・ホーム(家にいよう)」と繰り返してきたが、ジョンソン氏は今回、標語を「ステイ・アラート(警戒を怠らないで)」に切り替えた。感染による死者が3万人を超え、米国に次ぐ多さとなった英国では、最近の世論調査によると経済活動の再開より感染抑止を重視する声が強い。スコットランド自治政府のスタージョン首席大臣は新たな標語を「あいまいで不明確だ」と拒否し、スコットランドでは引き続き「家にいよう」と呼びかけるという。

 英国は3月23日までに、学校の一斉休校や、食品の買い物や1日1回の運動など特定の目的以外での外出の禁止、生活必需品を売る店以外の商店の閉鎖などに踏み切っていた。(ロンドン=下司佳代子)