就活「スカウト型採用」 新型コロナで利用増の動き

吉田貴司
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 新型コロナウイルスの影響で、学生と企業が直接会う機会が限られている今年の就職活動。そんな中、気に入った学生に企業側からアプローチする「スカウト型」の就活サービスの利用が広がっている。来春卒業する学生だけでなく、2022年卒の学生の動きも早まっていると運営会社の担当者は指摘する。

 一般的な「スカウト型」の採用サービスの場合、まず学生が、自己PRや目指したいキャリア像などをサイトに登録。企業側は、そのプロフィルや適性検査の結果などを見て、声をかけたい学生にメッセージを送り、採用選考につなげる。学生の登録は原則無料で、企業は採用につながった場合やメッセージの送信数に応じて手数料を払う。学生にとっては、思わぬ企業がアプローチしてくるかもしれず自分の就職の可能性を広げられること、企業側にとっては、会社説明会や正式な採用エントリーを経なくとも学生と個別に接点を持てることが利点だ。

 2012年からスカウト型採用サイト「OfferBox」を運営するアイプラグ(i-plug、登録企業数約6300社)によると、今年3月にサービスに新規登録した企業は、昨年(122社)の2倍以上の255社に上った。広報の高根千聖(ちさと)さんは「就職情報会社が合同説明会の中止を決めて以降、急増した。学生側との接触機会を増やそうとしているのではないか」と話す。登録する学生も、昨年より約1万6千人多い約11万8千人に増えている。

 一方、同じくスカウト型採用サイト「iroots」を運営するエン・ジャパンの近藤翔太iroots事業部長は「新型コロナウイルスの影響で、2022年卒の学生が、昨年より早く動き出している」と話す。登録した学生を、大学3年生のうちからインターンシップに勧誘する企業もあるためだ。

 同サイトの22年卒の学生登録数は4月末現在で約2万人と、昨年の同時期と比べて2割多いという。近藤さんは「学生が景況感の悪化を懸念し、夏のインターンなど、就職活動への準備を積極的に始めている」と分析している。吉田貴司

オンラインイベント「記者サロン コロナと就活」参加者募集

 新型コロナウイルスの感染拡大は、今年の就職活動にどんな影響を与えているのでしょう。最前線で取材にあたっている朝日新聞経済部の記者が、今後の就活のゆくえを専門家や学生と一緒に考えるオンラインイベント「記者サロン コロナと就活」を、5月16日(土)午後2時から開きます。参加は無料です。

 対面での会社説明会や面接にかわり、急速に広がっているオンラインでの説明会や選考のポイントは。今後の採用動向はどうなりそうか――。経済部「働く」取材班の吉田貴司記者と、就職情報会社ディスコの松本あゆみ・キャリタスリサーチ研究員が、最新の就活情勢をトーク形式で分析。当日は就活中の学生に、今の就活の「リアル」について語ってもらいながら、企業の採用担当者の本音も匿名でご紹介します。

 当日はチャットで質問も受け付けます。参加ご希望の方は、こちら(https://que.digital.asahi.com/question/11001598別ウインドウで開きます)からお申し込み下さい。

【出演予定者】

吉田貴司・朝日新聞経済部記者(「働く」取材班)

藤えりか・朝日新聞経済部記者(アンカー)

〈専門家ゲスト〉

松本あゆみさん(株式会社ディスコ キャリタスリサーチ研究員)

※このほか、就活中の学生のオンライン参加を調整中です。

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