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 プラスチック製品メーカー「天馬」(東京都北区、東証1部)のベトナム子会社が、現地の公務員に計約2500万円の現金を渡したとして、天馬本社が東京地検に自主申告したことが関係者への取材でわかった。外国公務員への贈賄は不正競争防止法で禁じられており、同社は第三者委員会を設置して経緯を調べていた。

 第三者委の報告書などによると、ベトナム・バクニン省にある子会社「TENMA VIETNAM(天馬ベトナム)」が2017年6月、現地の税関局の調査で、金型の輸入販売に関して1627万5千ドル(約17億9千万円)の追徴金を求められた。同社社長らは減額してもらうため、税関局職員に「調整金」を支払うことを提案。本社の藤野兼人社長の承認を得て、税関局の調査リーダーに現金20億ドン(約1千万円)を支払い、追徴金の支払いを免れた。

 さらに、19年8月にも現地の税務局の調査で一部の所得が税優遇の対象外と指摘され、法人税など178億ドン(約8900万円)の追徴金を求められた。調査リーダーから現金を要求されたため、社員らは現金30億ドン(約1500万円)を支払った。追徴金は最終的に、罰金などを含めて262万円に減額された。

 関係者によると、天馬本社は4月1日、東京地検に調査結果を自主申告した。同社は取材に対し、申告について「現時点でお答えすることはない」としている。一方、今月1日には、藤野社長がこれらの責任を負い、6月の株主総会で退任することをホームページで明らかにした。

 天馬は1949年創業で、収納ケース「Fits」などの製造販売で知られる。18年度の有価証券報告書によると、従業員は7557人で、売上高は約848億円。