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 東京電力福島第一原発の処理済み汚染水の処分方法について、政府は11日、東京都内で五つの経済団体の代表者から意見を聞く会を開いた。風評被害への懸念や丁寧な情報発信を求める声とともに、風評対策の具体的な提案も相次いだ。

 会は、海か大気への放出を「現実的」とする経済産業省の小委員会の提言が出てから3回目で、福島県以外での開催は初めて。新型コロナウイルス対策で、今回もテレビ会議システムを使った。5団体とも、国が正確でわかりやすい情報を発信し、地元関係者と消費者の理解を得ることが重要との立場を示した。

 風評対策への言及もめだった。日本経済団体連合会の根本勝則専務理事は「ふるさと納税の積極的な活用」などを挙げ、被災地支援のため何らかの優遇措置を設けるアイデアを披露した。日本旅行業協会の志村格理事長は、地域振興券やルート整備など、福島県への旅行や滞在をしやすくする制度作りを提案した。

 一方、スーパーや100円ショップで構成する日本チェーンストア協会の井上淳専務理事は、消費者の信頼の重要さを強調。安全性の理解が広がることが処分の前提として、「国民の安心が得られなければ放出を行わない覚悟が必要だ」などと指摘した。

 政府側からは、過去2回の会ではほとんどなかった出席者への質問が相次いだ。処分への書面での意見募集期限は、当初の5月11日から6月15日まで約1カ月延長された。座長の松本洋平・経済産業副大臣は「より多くの方に関心を持って幅広く意見を表明していただきたい」と話す一方で、今後の開催予定は「検討中」として明らかにしなかった。(小坪遊福地慶太郎

拡大する写真・図版松本洋平・経済産業副大臣(右端)らが、テレビ会議システムを使って意見を聞いた=東京都千代田区