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 愛知県は11日、新型コロナウイルス対策の休業要請などを判断する際の基準値を発表した。三重県も同日、県の緊急事態措置解除などの「基本的考え方」を示した。岐阜県は既に休業要請などの緩和に向けた独自の基準を示しており、東海地方での制限緩和を見据えた動きが相次いでいる。

愛知は「注意」「危険」の2段階設定

 「経済活動、学校の再開に向けての動きをしていかなければならない段階に事実上入ってきた」

 愛知県の大村秀章知事は11日の記者会見で、休業要請の解除や制限開始を判断する際の目安となる県独自の指標を公表した。

 指標は「注意」と「危険」の2段階あり、数値を上回れば、休業要請や外出、移動の自粛などを状況に応じて求める。基準値を超えた場合について、大村氏は「『注意』を一つでも上回れば、警告を発信して一部規制モードに入っていく」とした。また、「『危険』の基準をすべて上回れば今よりも厳しい措置を講じざるを得ない」と説明し、休業に応じない店舗名の公表をパチンコ店以外にも広げることを例示した。

 今回の基準は「愛知での経験値」に基づいて設定したという。ただ、県内では、新規感染者も入院数も「危険」の水準を超えたことはない。県内の自治体担当者は「今後は休業要請をしないという宣言とも受け取れる」と指摘する。大村氏は記者会見で「ほかの大都市圏域からみれば非常に低い数値ではないか。第2波が来たらこれ以上の厳しい状況を想定せざるを得ない」と述べた。

三重は3パターン想定し、条件作成

 三重県の鈴木英敬知事は11日の定例会見で「基本的考え方」を発表した。

 宣言解除について話し合う14日の政府の専門家会議に先立ち、公表した。①政府の緊急事態宣言が全国で継続された場合②三重県が解除され、愛知、岐阜県のいずれかで継続した場合③東海3県すべてで解除された場合に分け、学校再開や県独自の「緊急事態措置」解除の考え方を示した。

 東海3県で宣言が解除された場合や、三重県で解除され、愛知、岐阜両県が特定警戒都道府県から外れた場合、18日から県立学校を再開する。再開後も29日までは分散登校などを実施して、オンライン授業も継続する。

 緊急事態措置を解除する基準としては、「県内の感染状況や国、近隣府県の状況を総合的にみて判断する」とした。加えて、県内の新規感染者の発生が落ち着いていることや、入院患者数が20人以下であることなども条件としている。

 三重県は東海3県で唯一、特定警戒都道府県に含まれておらず、一部の施設の休業要請が解除されている。一方で、パチンコ店などに対しては、引き続き31日まで休業を要請しているが、今後、三重県が政府の緊急事態宣言の対象区域から外れた場合、パチンコ店などの休業要請は解除されることになる。

 岐阜県は9日に、休業と外出自粛要請などの段階的な緩和に向けた独自の基準を公表している。基準は、新規感染者数などの五つの指標。すべての基準を2週間程度連続して下回れば、近隣県の感染状況なども踏まえて、段階的に対策を緩和する方針だ=表。休業要請を解除する際の業種の優先順位といった対策緩和の具体的方法は今後、県の専門家会議の議論を踏まえて決める。(堀川勝元、小林圭、甲斐江里子)

東海3県の制限解除などの指標

【愛知】

①新たな感染者数が10人未満(週の平均)

②検査を受けた人に占める感染者の割合(陽性率)が5%未満(過去7日間)

③入院患者数が150人未満(週の平均)

※いずれかを超えた場合は「注意」となり、外出、休業要請など一部の規制に入る。「危険」は①20人以上②10%以上③250人以上。基準にあてはまると「完全な規制をお願いする」

【岐阜】

①新規感染者数の合計が週に7人未満

②検査に占める陽性者が週の平均で7%未満

③感染経路不明な感染者の合計が週に5人未満

④入院患者数が60人未満

⑤全身管理を行う重篤者数が3人未満

※すべての基準を2週間程度連続して下回れば、近隣県の感染状況なども踏まえて、段階的に休業要請などの対策を緩和

【三重】

①直近5日間の新規感染が3例以下

②直近5日の新規感染者が10人以下

③入院患者数が20人以下

※すでに博物館やホテル、百貨店などは休業要請の対象から除外。今後、三重が政府の緊急事態宣言の対象から外れ、①②③の全ての基準を満たした場合、近隣県の感染状況や陽性率なども踏まえ、全業種の休業要請を解除