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 県立高校や県内の多くの市町村立の小中学校で11日、学校が再開された。感染防止のために様々な制約がある中、久しぶりの授業に集中して臨む子どもたちの姿が見られた。一方、再開を不安視する保護者らの声も聞かれた。

 鹿児島市立八幡(やはた)小(木原田雅彦校長、653人)では午前7時半に校門が開くと、マスク姿の児童たちを養護教諭らが出迎え、自宅で検温をしてきたかどうか尋ねた。測っていない児童には耳に当てる体温計でその場で検温。未測定の児童は、4月初めごろは20人ほどいたが、この日は数人だったという。

 教室に向かった児童らは、すぐに手と顔を洗うために水道へ。並んで待つ児童に「間をあけて」と教諭らが注意する場面も。

 6年2組の1時限目は国語。考えを深めるという課題に「グループごとに話し合う」という項目があるが、「今はグループ活動ができないので、各自の考えを書きましょう」と担任の幸福(こうふく)亘教諭(53)。児童同士での話をさせにくく、教師からの一方的な話になりがちなのが残念という。

 休校中の生活について、田尾和晴(としはる)さん(6年)は「学校の時間割通りに勉強したが、退屈なときがあった」。中沢柚奈さん(同)は「ずっと家にいるんだから、と母に言われ、普段はしない風呂掃除もやった」と振り返っていた。

 同小はこの日から時間割を変更し、5時限目を昼休みの前に入れた。低学年の児童は5時限で下校するため、昼休みは高学年だけにして「密」を防ぐ考え。また、15日の遠足は中止、31日の運動会は秋に延期し、その分を休校で遅れた学習にあてるという。

 「子どもたちは集まって大声で叫んだり、発散したりしたいだろう」と木原田校長。校医から「外で活動するときは、熱中症予防にマスクを外した方がいい」と助言を受けたといい、登下校時や校舎内のほかは、マスク着用を柔軟に指導するという。

 県教委や同市教委は、4月20日を最後に県内で新たな感染者が確認されていないことから、学校再開を決めた。県教委は県立学校に対し、24日までは「警戒期間」として最大限の対策を求め、必要に応じ分散登校や時差通学を促している。

 生徒数が千人近い県立鶴丸高(鹿児島市)は11、12日の学力テストを終えた13日から、平日の登校は3年生が「毎日」、1、2年生は「1日おき」という分散登校にする。生徒同士の接触をできるだけ避けるため、3年生は通常より広い教室を使い、1、2年生は1クラスを二つに分けて授業をする予定で、「時間割や教師の編成が大変」と同高。

 部活について県教委は、登校日以外に行わない、用具の不必要な使い回しをしない、などの対策を各校に通知した。また、通常より低カロリーの簡易給食が続く場合、体を動かす部活での配慮も求めている。

 一方、県内の保護者を中心につくる「コロナからこどもの未来を守る会」(約30人)の代表世話人らは11日、「感染不安がぬぐえない」として県教委に要望書を提出した。児童生徒が家庭の判断で登校を自粛した際は「欠席」ではなく、やむを得ない事情による「出席停止」の扱いとすることや、オンライン授業の導入などを求めている。(木脇みのり、奥村智司)