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 つばなどによる飛沫(ひまつ)感染を予防するフェースシールドを、東京都大田区の町工場が独自で開発した。「感染拡大防止の最前線で働く人々の役に立ちたい」と無償で約1万枚を用意し、区内だけでなく、全国の医療機関や介護施設に提供したいとして、希望を募っている。

 開発したのは、金型やトレーの製造会社「城南村田」(蒲田本町1丁目)。1949年に創業し、チョコレートやクッキー用トレーの金型を主に製造している。青沼隆宏社長(50)は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、主な取引先である洋菓子メーカー関連の注文が激減した」という。約20人の従業員を週5日勤務から週4日勤務にするなどして対応している。

 同社では金型だけでなく、シート状のプラスチックなどを様々なトレーに成形することも得意としている。青沼さんは「医療機関や介護施設で、感染防止に使うフェースシールドが足りないと聞き、うちの技術を生かせると思った」。4月中旬から開発を始め、2週間で試作品が完成。「34グラムと軽量で、5ミリ単位で調整できるU字バンドで頭を包むように抑えるので、きつくない。角2サイズの封筒に入り、送付や収納にも便利」と話す。

 城南村田は、販売前に全国に約1万枚無償提供する。地元・大田区の医療機関・介護施設で希望する施設に計100セット(2400枚)を社員が直接配送し、全国の医療機関・介護施設には抽選で計320セット(7680枚)を無償提供する。17日まで受け付けており、区内の医療機関や介護施設は専用メール(apply_ota@jonan-murata.jp)まで、区外の施設はメール(apply@jonan-murata.jp)に、施設名と住所、電話、担当者の名前と所属を記して申し込む。発送をもって当選とする。

 無償提供の配送が一段落した20日ごろから、24枚組み1セット4千円(送料込み)で販売する予定。青沼さんは「助産所や手話通訳の関係者など、すでに様々な方から問い合わせをいただいている。利用者の声を聞いて改良もしていきたい」と話した。(伊藤恵里奈)