「忍者・忍術学」初の修了生 自給自足、道場開き民泊も
森直由
忍者を研究する三重大大学院の専門科目「忍者・忍術学」で、三重県伊賀市石川の三橋源一さん(45)が3月末、初の修了生になった。この2年間、大学院で学びながら、自宅の道場で忍術を教え、野菜や米を栽培してほぼ自給自足の生活をしてきた。4月から博士課程に進み、「地域資源」としての忍者の活用を探る。
大阪府出身。高校生の頃から、カンフーや少林寺拳法などを習った。京大大学院で農村開発を研究。南米やアフリカで危険な目に遭った経験から、26歳の時から「自分の身は自分で守りたい」と戸隠流忍術などの道場「武神館(ぶじんかん)」に通うように。忍者ゆかりの伊賀に関心を持ち始めた。
伊賀地域では戦国期、織田信長の大軍に敗れるまで、統括する武将がいなかった。地域内の抗争が絶えず、修験者がルーツとされる農民武装集団が成長。後に「忍者」と呼ばれるようになったという。三重大は忍者の研究に本腰を入れ、2017年に伊賀市に国際忍者研究センターを設立。18年4月に大学院専門科目に忍者・忍術学を設けた。
「田舎暮らしをしながら、忍…